80日以上の空白ののち映画館に復帰!!
『マシュー・ボーン in cinema ロミオとジュリエット』(@恵比寿ガーデンシネマ)
マシュー・ボーンがどんな新しいロミオとジュリエットを作ったのか、楽しみにしていた。曲順やテンポの変えているので、聞き慣れている分「え、ここでこれ?」ともなるのだけど、プロコフィエフの音楽はやっぱり素晴らしいね。本来ジュリエットの登場の場面の音楽をロミオで使う、というように全体を通じてマシューの強い意図を感じる。
有名なバルコニーのPDD、これもジュリエットが主導する。男女のPDDがこういう風にも作れるのだなあと感動した。強い意志を持つ大人の女性ジュリエットに対し、壊れやすいロミオ。そのキャラクターが反映された振付であると同時に、若い2人が惹かれ合い恋に落ち、それまでの”どん底”を忘れて幸せに舞う、その姿が本当に美しい。
ただ、その”どん底”の描き方が直接的なので見るのが辛い場合もあるかも。あまりにわかりやすく悪役のティボルトは演じるのも辛くないかな。カーテンコールもブーイングらしき声が聞こえたような。
あとロミオ役のパリス・フィッツパトリック!他の役で見たことがなかったダンサーなのだけど、次から次へとよく逸材を見つけてくるよなマシュー。
クラシック作品をどう現代的に読み替えるか。古典にある男女の典型的なキャラクター、踊りにおける役割、恋愛対象などについて、現代人はどこまで変化についていけるか、どこまで許容できるかをマシューに試されているのかもしれない。この、今をありのままに描こうとするところが凄い。容赦や忖度なし。もっとやって。(笑)
日本の公式HPの情報量少ない。本家のはこちら。
映画館が閉まっていた期間は今度映画館行ったら泣くかもなんて思ってたけど、意外とそうでもなかった。両隣の空席が約束されているというのは快適で、でも映画館の経営的には大変だろうし、最大半分しか観客を入れられないというのはどれくらいの期間なら可能なんだろうか。
やっぱり映画館で見ると没頭できるし、同じ作品でも受け取れる量が違う。ということを再確認すると同時に、今回は舞台作品を観たために「ほんとに観たいのは生の舞台なのよ!」という思いも強まってしまった。