アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

自宅でアート鑑賞その15

意外とまだ結構見ているオンライン。

 

パリオペラ座『PLAY』(6/21まで)

PLAY d'Alexander Ekman Opera National de Paris

アレクサンダー・エクマンによる『PLAY』映像作品としてよく出来ていておもしろい。こういうのをパリオペがやるっていうのがなんて贅沢!って思うし、いちいちお金がかかってそうで(笑)、さすが、となる。

これは2017年の創作だけど、現在のパリオペラ座は昨年12月から年金改革に対する抗議のスト、そして今はコロナ禍で、今シーズンは大変な赤字となっている。これほど恵まれた待遇に見えたパリオペでさえも、こういう新たなクリエーションは当分できないのではないか。そんなことを思いながら見た。

これ見るの2度目なんだけど、今回は舞台上のダンサーたちのあまりの楽しげな様子に、ああいつになったらこういうのがまたできるんだろうか、と考えてしまったな。昨日あたりからようやくガルニエのスタジオに戻れたようで、まずはよかった。

 

 

オランダ国立バレエ(6/20まで)

Streaming Ballet | Dutch National Opera & Ballet

David Dawson振付の2作品。≪Citizen Nowhere≫を踊ったダンサー Edo Wijnen が素晴らしい。1人であれだけの世界を創り上げる。

そして2作目≪Overture≫もよかった。こちらにもEdo出てたね!蛍光色の衣装はちょっと??となったけど。

 

 

生の舞台と、映像作品。段々と両者の距離は縮まっているようにも見える。

こちらはロイヤルバレエのダンサーが参加している映像作品。

pennefatherfilms.com

≪In Her Hands≫ナタリア・オシポワとマシュー・ボール出演。オシポワがカミーユ・クローデルを演じる。彫刻を模したPDDはなかなか見応え。

≪The Sun is God≫はフランチェスカ・ヘイワードとマシュー・ボール。戦争に行ったまま帰れなかった人を想う女性をフランチェスカが演じる。ロケ地が素敵。マシュー・ボール人気ね。

サラ・ラム出演の≪Dreams of Giverny≫はサラの妖精っぽさが活かされてて美しい映像。ジヴェルニーのモネの庭、私も行ったことがあるんだけどあんなに花が咲き誇ってる中で踊るなんて。

≪Esprit du Jardin≫は始まり方が怖くてちょっと無理だったごめん…。

 

それぞれメイキング動画もあってダンサーや振付家、監督らの話も聞けておもしろかった。一発勝負の生の舞台と何度でもやり直せる映像では全くのべつものなのね。

 

それで思い出したのが最近のマチュー・ガニオのインタビュー記事。マチューはとても率直に、コロナ禍で加速したダンス界の変化について、そしてその新たな場に自分の居場所を見つけられない居心地の悪さを語っている。トーキー映画に移行した時期のサイレント映画の俳優に例えているのなんて、自分のことをそう言えるの凄いなと思う。オペラ座、芸術、自分自身の置かれている現状をとても冷静に客観的に見ている。劇場で、たくさんの観客を前に、舞台裏で人知れず積み重ねてきたものを見せ、それを観客と分かち合う。それに代わる喜びはない、というマチューの思いが伝わってくるインタビューだった。

オペラ座ダンサー・インタビュー:マチュー・ガニオ「東京で踊れたのは幸いだった!」|

 

少し前にどこかでステファン・ビュヨンのインタビューも読んだんだけど、「『マイヤリンク』がキャンセルになってしまって本当にがっかりした、自分にとって今シーズン最大の目標だったから」と語っていて、マチューも言っていたように「次はないかも」しれないベテランダンサーにとってこの空白期間というのは、若い世代とはまた違った影響を与えそう。。

パリオペは12月の『ラ・バヤデール』から再開の予定となっている。

追記、これでしたステファンインタビュー。Stéphane Bullion, danseur "Etoile" de l' Opéra de Paris

 

 

シビウ国際演劇祭で見たもの。

FITS:2020

 

≪BOYS DON’T CRY≫ これは切ない。「男はサッカーだろ!」なステレオタイプ。男子が踊ることに対してまわりから理解が得られないというのは、現在世界的スターになった男性バレエダンサーたちも語っていることで、偏見というのは根強いね。まして北アフリカ・アラブ世界においてはさらに難しいのかも。それを作品にしている。

 

アクラム・カーンの≪CHOTTO DESH≫、これもアイデンティティがテーマ。カーン自身がマルチカルチャーであり、自分と家族のルーツを辿るかのような。これ、日本でも上演したことあるんだね。

 

シビウは次は19日が重要だな。Noismもシェルカウイもある。

 

 

イングリッシュナショナルバレエのマクミラン大地の歌』も楽しみだな。

6/17 7:30pm(現地)から48時間。

Five things about Song of the Earth - English National Ballet