アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

自宅でアート鑑賞その20

ついにその20まで来てしまった自宅でシリーズ。そろそろおしまいかな。

 

ロイヤルの『眠れる森の美女』をオンラインで。(8/7まで)

これ、映画館中継の当日に急きょ主役オーロラ姫を踊ることになった金子扶生さんが話題だったやつ。日本での映画館上映も観に行かなかったので、今回オンラインで初鑑賞。

 

眠れる森の美女 | 「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」公式サイト

 

私がロイヤルで観たい作品というのはやはりマクミランのドラマチックなもので、「眠り」のようなド・クラシックはあえて観には行かないかなあ。こういう作品であってもロイヤルらしくお芝居するので、そこがちょっとうるさく感じてしまう。作品によって何を観ようとしているのか、何を観たいのかが違うのだなあ。難しいものだ。まあ、パリオペが好みの私だから、仕方がない。

 

そんな中、クラシックバレエの王子らしい佇まいを見せてくれたフェデリコ・ボネッリはさすがと思った。古典作品は良くも悪くも踊りやスタイルや技術が重要で、それがあってこそ、その上で、なんだなと感じた。演技はそれらを補うものではないので。

急にオーロラを踊ることになった金子扶生さんもベテランのフェデリコが相手でよかったよね。ローズアダージオにはギャリ―さんもいたし。まわりのサポートも大きかったのでは。

ヤスミンとマシューの青い鳥もさ、前作ロミジュリであんなに虜になったけど、ここでは彼らの魅力があんまり感じられなかった。生身の人間をあれほどのリアリティで演じた2人だから、違う役で観たいと思ってしまうのかも。

 

 

ヨーロッパはヴァカンスシーズンに入り、カンパニーによるオンライン配信も終わりが見えている雰囲気。新シーズンをどんな形で始められるか、国の事情によっても違うだろうけど、生の舞台がある生活が早く戻ってきますように。

 

8月の東京といえば例年、シーズンを終えたトップダンサーたちが集って日本で公演をしてくれる時期。なのだが、今年はなし(涙)。中止になってしまったバレエ・スプリームがオンライントークイベント開催。

 

www.nbs.or.jp

 

バレエ界の頂点に君臨する2大バレエ団──パリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤル・バレエ団から、選りすぐりのトップダンサーが集って舞台で競う〈バレエ・スプリーム〉。

残念ながら今夏開催予定だった公演は中止となりましたが、「日本のバレエファンの方々と繋がるイベントを」という趣旨にアーティストたちの大きな賛同を得て、〈バレエ・スプリームonline〉トーク・イベントの開催が急遽、決定しました!

 

レオノール×ジェルマン、サラ×スティーヴン、マチアス×スティーヴン、リュドミラ×マチアスの4ペアが発表済みで、ユーゴら他にも調整中のダンサーが参加予定とのこと。

マチアスとスティーヴンというバレエ団を超えた組み合わせは貴重だし、リュドミラとマチアスというのも珍しい気が。

 60分(予定)のトークイベントに各1500円というのはお高い気もするのだけど、これはもう、”応援”の意味だよね。

 

そして余計なお世話というか贅沢な要求かもしれないけど、フランス語のダンサーにはぜひフランス語で話してほしいのです。彼らの英語力が足りないと言っているのではなくて、バレエという芸術についての繊細さや微妙なニュアンスなどを、より得意な言語で100%言いたいことを言って欲しい、そしてそれを聞きたい、と思うのです。(そしてその際はもちろん日仏通訳さんの技量も問われるのだけども)

 

先日マチューのオンライントークイベントを見た時、ロシア語話者とフランス語話者が英語で会話し、それをロシア語話者が日本語に訳す、という環境の中で伝わらないこと、言い足りないこと、訳し漏れることがどうしても発生し、それがマチューにとってもストレスなんじゃないかなと思った。(私はストレスだった(笑))

なので、主役の皆さんには一番話しやすい言語で思う存分話してほしいな。と思うわけです。それこそが我々も知りたい、聞きたいことなのだと思うから。

 

NBSさんよろしく頼みます。