アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

Noism0 / Noism1 境界

東京公演、最終日へ。

 

Noism0 / Noism1 境界東京公演 | Noism Web Site

『Endless Opening』
演出振付:山田うん
衣裳:飯嶋久美子
出演:Noism1

『Near Far Here』
演出振付:金森穣
衣裳:堂本教子
出演:Noism0

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金森さん振付、Noism0『Near Far Here』、これはいい…。

私は事前情報をあまり仕入れずに作品を観る方が好きで、というのも、あらかじめ説明を聞いた上でないと味わえないならそれってどうなの?と思ってるので。

なので、今回も予習ゼロ。それで何を受け取れるか、どんなことを感じるか、それがすべてでそれでいい。

 

Fratresシリーズからも強く感じることだけど、祈り、鎮魂といった気配がある。あちら側とこちら側、その「境界」。白と黒の対比、鏡を模したようなフレームをはさんで映し出される自分と他人。今進行中の舞台と録画された過去。舞台上と客席。

 

金森さんの作品には抽象的なものもあれば物語系もあり、でも私が一番その才能を感じそして好きなのはこれ系だ。精神世界!みたいなの。ライティング、演出、美術、とても好き。終わり方の演出も、とても印象に残る形。

 

それは前提として、金森さんが全く新たなダンサーに振り付けるのも見たいなーと想像した。今日みたいなトリオを例えば、例えばですよ、マチュー、オドリック、アマンディーヌとか。ジェルマン、ユーゴ、レオノールとか。なんか化学反応ですごいのできそうな妄想が膨らんでしまって勝手に心臓バクバクしてしまうではないか。いやもう完全にパリオペファンの偏った妄想なんだけど。なんというか、また別の次元のダンサーを得たらどんなことになるんだろうかと、わくわくするのよね。

Noismだからできることもあれば、新たな組み合わせで生まれる世界があるのではないか。そういう世界も見てみたい、そう思った。そういうポテンシャルを持っていると思うので。金森さんは。

 

さて、そういう意味では山田うん振付Noism1『Endless Opening』は新たな組み合わせによる新たな世界と言えるはずだけど、うーむ、こちらはどうだっただろう。それぞれの持ち味が生きていたのかどうか、私にはちょっとわからなかった。カラフルなあの衣装のためちょっとエアロっぽいというか。ひらひらもちょっと邪魔だったかな。

とはいえ振付はNoismダンサーの鍛え抜かれた身体を存分に見せる作品。ほんとに、みんな研ぎ澄まされてるよね。

こちらの作品も予習ゼロなので、あのゴロゴロと出てきたのが何なのかわからなかったのだけど。(ベッドなの?棺桶なの?)

でもいいのわからなくて。わからないなりに味わうから。だって別途色々説明しなくちゃ伝わらないなら、伝わらなかったということで、ね。

 

オンラインで見るのとは違う、場の共有というのがやっぱりいいね劇場は。「境界」を超える。

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