アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

シュツットガルト・バレエ団『ロミオとジュリエット』

シュツットガルト・バレエ団『ロミオとジュリエットシンガポール公演、

終わってしまった…。私は初日のみ鑑賞。

  

Stuttgart Ballet in John Cranko's Romeo & Juliet

2017年10月12日20時 Esplanade Theatre

ジュリエット:アリシア・アマトリアン

ロミオ:フリーデマン・フォーゲル

 

生で観るのは初めてのクランコ版ロミオとジュリエット

馴染みのあるパリ・オペラ座のヌレエフ版やロイヤルのマクミラン版と比べると衣装や舞台、演出に派手さはないけど、その分ロミオとジュリエットの生きた時代や雰囲気には近いのかもしれない。

キャピュレット家の黒い舞踏会、ロミオを威圧するかのような黒い旗。ブルーのジュリエットのベッドルーム、などなど視覚的な効果が場の雰囲気を盛り上げる。

墓地の場面のセットよくできてるなーと思ったのは、ジュリエットの身体を地上から地下へ降ろすというのが、上下で生の世界と死の世界という感じが出ていたのと、ジュリエットのもとへ駆けつけたロミオが上から柵を超えひらりと墓地へと降り立つところがなんとも美しくて。

この”段差”はかの有名なバルコニーの場面でも印象深い。最初はロミオがジュリエットをバルコニーの上から下へと降ろしていくところ、終盤ではジュリエットを段々に上へと持ち上げていくところがキュンとする演出。(懸垂キスでは笑いが起きるシンガポールの客席)

 

今回はフリーデマンとアリシアのペアで観ておきたかったので、幕が上がって舞台上にフリーデマンがいるのを確認して一安心。(笑)

フリーデマンロミオはやんちゃで無邪気で浅はかで、恋の悲劇というよりも、若さゆえの思慮の浅さが招いた悲劇、を強く感じる。2人の死後に両家の和解が描かれることもないので、大人たちの対立の被害者としての2人という印象も薄い。振付の特徴としても、足踏みや床を手で叩くなどが子供っぽさを強調してるように感じた。アリシアジュリエットの役作りも、子供っぽさが出ていたと思う。無知で無邪気な少女の目の前に出現した結婚、そこに突然盛り上がった恋。感情の起伏。

 

これまでに観てきた『ロミオとジュリエット』からすると、ふたりの恋が最高に盛り上がるまでが早すぎないか?(笑)という印象があったんだけど、これは他のをもう一度見て確認してみなければ。

 

いずれにしてもシンガポールシュツットガルト・バレエ団、しかもバレエ団を代表する作品の1つを観られて充実の3時間。コール・ド・バレエはもちろん舞台や衣装などまで含めさすがの完成度を見せてくれた。シュツットガルトの皆さん来てくれてありがとう!!そしてバンコク公演も頑張ってね。

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ツアー中の舞台裏などはバレエ団のブログで垣間見られます。(ドイツ語)

Stuttgarter Ballett Blog