ポン・ジュノ監督の『Parasite』、これは名作!!
貧しくも賢くたくましく、楽天的な面を失わない一家。なんだかうまいこといっちゃって、いや、むしろうまく行き過ぎて、いつどうやってそれが壊れるのかとドキドキした。
しかしその崩壊っぷりは想像を超えてた。ポン・ジュノ監督、見事過ぎる。
世の中の景気に仕事や収入を左右されたり、大学受験が上手くいかなかったり、それらをきっかけに大きく道が分かれてしまい再び1本に交わることがない。そしてパイの奪い合いが上下間ではなく、苦境にある者同士で起こる理不尽…。それは韓国社会だけの問題ではなく世界の多くの人が知っているし経験しているし、だからこそ共感し評価もされたのだろう。
先日観たケン・ローチ監督の『Sorry, we missed you』では行き詰った家族の姿にひたすら救いがなくあまりに辛いと感じたのだが、『Parasite』には笑いがあり、終わり方にも救いがあった。後半の何段階もの展開、素晴らしい。
アカデミー賞も獲ってほしい!