アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

パリ・オペラ座バレエ団『オネーギン』(2/26)

パリに来ている。今回の目的は3/1のマチューのアデューを見届けること。ジェルマンのオネーギンデビューでもある。

 

私が観たのは2/26の公演。

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ジェルマンオネーギンが美しすぎる!あらためて確認するジェルマンの踊りの美しさ。そしてあの容姿。なんとまあ。(感嘆)

パクさんとの鏡のPDD、軽やかで美しくキレキレで、なるほど若いオネーギンはこうなるのだなという発見。もちろんジェルマンとパクさんの身体能力あってのことだけど、ベテランらが見せるのとはまた別の素晴らしさ。

パブロとナイースが最初の絡みから可愛すぎて、後々の展開を思うと今から辛い。

 

二幕、パブロのレンスキーが良い。決闘を申し込んでしまうまでの葛藤がビシビシ伝わる。そして死を覚悟してのソロ、胸に迫る。ジェルマンオネーギンのあの感じ、高貴で美しく当たり前に傲慢で若気の至りで、決闘の後タチアナに見つめられて事の重大さに初めて思い至る。自分のしてしまったことの大きさに打ちのめされて幕。

(決闘前のレンスキーのソロの終盤で鼻かんだやつ誰だよ💢)

 

三幕、老けメイクのジェルマンはさすがにまだ見慣れない。あれから10年経っても身体のキレはそのままである(笑)。グレーミン侯爵の館で過去の自分が蘇り、あの記憶が蘇り、そこから捨て身の一大決心へ。あんなことしておいて今更よくもそんなことが、と思わせる役作りで正統派オネーギンの部類なのかもしれぬ。

パクさんとジェルマンのPDDは迫力ある。スピードが刹那を感じさせるし、美しく長い手脚の雄弁なこと。踊りたいように身体が動く、身体能力が表現力として発揮される、その優位性をこのキャストからは存分に見せてもらった気分。パブロとナイース含め。同キャストでもう一度観るチャンスがあるので次回も楽しみに。また違う発見があるだろう。

 

明日はアマンディーヌのタチアナ(復帰楽しみ)とジェレミーのオネーギン(やや不安)。