アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

團菊祭五月大歌舞伎 菊五郎菊之助襲名披露公演(昼の部)

歌舞伎座おひさしぶりー!!

www.kabuki-bito.jp

 

色々あった歌舞伎界。なんかちょっと気が乗らなくて、足が遠のいていたのだが、菊五郎襲名となるとさすがに気になる!しかも玉三郎さんと菊ちゃん親子の娘道成寺だと!??やば!!となりまして、急遽チケット取った。

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昼の部は四演目。道成寺は最後。待ち遠しい。しかし襲名披露で団菊祭ということで、『勧進帳』で團十郎が弁慶、菊五郎(八代目、前菊之助)が富樫という、”本来の姿”みたいな配役が実現していて、イヤホンガイドによるとこれは菊五郎の希望で実現したようだが、なんというか菊五郎なりの團十郎へのメッセージというように思えるね。もどってこいよ、みたいな。團十郎にとっては唯一かもしれない対等な存在だろうし。

 

三人花子による『京鹿子娘道成寺』のなんと豪華なこと!!所化まで豪華!!(しかも大人数)襲名披露ならではの配役。

花道のすっぽんからせりあがってきた菊五郎菊之助のなんと美しいこと。脳内で何度も(なんて尊い……)とリピートした。丑之助時代から子役離れしていると思っていたけど、今回のこの花子の踊りと佇まい、菊之助くん凄い。才能。もちろん努力。どれほどの時間とエネルギーをこの舞台のために費やしてきたことか。そして現在進行形で、日々、進歩しているんだろう。

 

玉三郎さんと菊五郎さんと菊之助くん、70代、40代、10代、それぞれの花子。終わりなき芸の世界という感じよね。それを目の前で見せてくれている。

玉三郎さんと菊ちゃんの二人娘道成寺もかつて見ている。この演目ほんと好き。可憐な若い娘、しっとりとした恋する女性、みたいな男の抱く幻想を最後にぶっ壊す!みたいな(笑)、そういう解釈ができる演じ方踊り方が好きで、かつてはそういう風味がより強かった気がするのだが、菊五郎となった現在、以前よりは若さゆえの鋭さみたいなものが薄れ、熟成した役柄解釈になったと感じた。菊之助を教える立場ということもあるのかも。菊之助の11歳とはとても信じられない出来に目を奪われる。

 

11歳かあ。

20年後30年後、彼ら世代が主力となる頃、歌舞伎界はどうなってるだろう。

 

しかし昼の部、11時開演で終演が15時40分と、長い!おしりいたい!

観る方もそれなりに体力が必要である。