アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

舞姫と牧神たちの午後 2021

追加販売されたチケット買えたので観に行ってきた。

新国立劇場小劇場、満席になると密度すごいね。

 

舞姫と牧神たちの午後 2021 | 新国立劇場 ダンス

1.「Danae」
木村優里&渡邊峻郁
振付 貝川鐵夫
音楽 ヨハン・セバスティアン・バッハ


2.「かそけし」
酒井はな&森山未來
演出・振付 島地保武
音楽・演奏 藤元高輝(gt.)


3.「Butterfly」
五月女遥&渡邊拓朗
構成・演出 平山素子
振付 平山素子&中川 賢
音楽 マイケル・ナイマン、落合敏行


4.「極地の空」
出演・振付 加賀谷 香&吉﨑裕哉
音楽・演奏 坂出雅海


5.「Let's Do It!」
出演・振付 山田うん&川合ロン
音楽 ルイ・アームストロング ほか


6.「A Picture of You Falling」より
湯浅永麻&小㞍健太
振付 クリスタル・パイト
音楽 オーウェン・ベルトン

 

キャリアも方向性も様々な6組6作品のコンテンポラリーダンス。ほんと幅が広くて、これという目当てなく観に行ったとしても気に入るのがありそうよね。

 

今回一番見たかったのが最後のクリスタル・パイト。そもそもこれがあるからチケット買ったのだ。めっちゃパイトでかっこよかった!ピンと張り詰めた感じや、人間らしさ、立ち昇る内面。ステキ。これは完全に好みの問題なので他の作品がどうこうということではないのだけど、湯浅さん小尻さんという素晴らしいダンサーを得て、リアルパイトが目の前にあるというのが最高だった。しあわせじゃないですか、今、日本でパイト作品が見られるなんて。もっと見ていたかった。

この、言葉を使うところはわりと最近見たパリオペラ座での「Body & Soul」があったけど、NDT日本公演で見た「The Statement」も思い出したりして。

 

そしてもうひとつ、五月女遥&渡邊拓朗による「Butterfly」も目を離せなかった。予習が足りなくてどなたが踊ったのか後から確認したのだけど、新国のダンサーだったのかと正直驚いた。これほど濃密なコンテを踊るイメージがなかったので(完全に私の勉強不足ゆえですが)。そうなのよ、コンテで見たいのってこういうのなのよ、と。言葉にならない、なんと表現したらいいのかわからない感情というのが人間にはあって、言語化できないものは存在しないのではなく、あるのだよ、と。

ダブルキャストだったので、こうなるともう一組も気になるよね。全然違いそうな気がする。

 

 

こうやって一度に様々なタイプのダンスを観られるというのはいい機会ね。自分との対話の時間でもある(笑)。好きなのは好きで夢中になればそれで幸せだし、好みでないものがあったとき、なんで好きじゃないのか、何が気になるのか、それは自分の先入観や偏見から来るものなのだろうか、などとずーっと考えている。

 

でね、また新国ダンサーの表現の話をしてしまうと、やっぱり気になってしまったんだよね。3は凄いと思うのに1はピンとこない、その理由はなんだろうかと。1のような作品は、こう言ってはなんだがよくあるタイプな気もしていて(偉そうにすいません)、それが私のスイッチを鈍らせているかもしれないのだけど、「感情表現しています!!」という風に見えてしまうというか…。そんなにがんばって表情作らなくてもいいと思うんだけど…。私が見慣れていないだけなのかなあ。

 

というようにいろいろ考える機会になるのが、舞台を観る楽しみのひとつでもある。

追加発売によって観に行けてよかった。(密は気になる)

f:id:cocoirodouce:20210327213906j:image