アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

20世紀のポスター[図像と文字の風景]

すっかりご無沙汰していた庭園美術館へ。

 

東京都庭園美術館|20世紀のポスター[図像と文字の風景]|2021年1月30日(土)-4月11日(日)

 

カッコいいポスターの数々、展示点数も多くて充実。大半がスイス、ドイツのものなのでドイツが多く、固有名詞以外ほぼわからないけどそれでも伝わるデザインの力。告知内容はともかくとして、それ自体がアート。

 

チューリヒバーゼルのコンサートのポスターがたくさんあったんだけど、どれもカッコいい。アーティストや楽器の写真などは一切なくて、幾何学的なデザインに必要情報は文字で。フォントもいいんだよね。

これ、つい日本のクラシックコンサートのチラシやポスターの定型的なデザインを思い浮かべてしまった。バレエのチラシも同様だけど、出演者の顔写真などが大きく使われ、情報がたくさん詰め込まれる。いろんな都合や試行錯誤の末に辿り着いた形なのかもしれないけど、正直ちょっと食傷気味。

 

それと比べてかっこいいなー、うらやましいなー、と思いながら見たけど、それも時代で変化していく。

 

ミニマルで、客観性や中立性を重視してきたものが、「客観性とは」「中立とは」が問われるようになる。フェミニズム運動や環境活動などが活発となり社会の価値観が多様化すると、「誰の目線からみて客観なのか、中立なのか」が問われることになる。

たしかにそうだ。

デザイナーは世の中の変化を感じ、ポスターに反映させていく。その敏感さや、込めるメッセージを持っていることが求められるようになったということか。

 

この客観性や中立性についてのところ、最近日本の与党議員が男性議員だけで選択的夫婦別姓を話し合うのを「ニュートラル」と表したことがあったのを思い出した。あの底知れぬ鈍さ。世の中の変化に疎く、世界も視野も狭い。。どうしたらああいう人たちの感性が改善されるのだろうか。。

 

話がそれた。

 

ソ連時代のポスターには一目でああソ連!って思うし、バウハウスにはバウハウスっぽい!と感じる程度には経験を積んだんだなあ私、と思いながら、若い人たちに混ざって見てきた。

 

ひさしぶりだったけどさすがは庭園美術館。充実の内容だった。門の外のミュージアムショップは閉まっちゃったのね。いろいろ置いてて見るの楽しかったのにな。新館の売り場もあまり広くないのでその点は残念。

 

今回は図録も買ったので復習しようっと。

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