アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

中村恩恵×新国立劇場バレエ団『ベートーヴェン・ソナタ』

これはタイトルだけで惹かれてしまうやつ。

 

中村恩恵×新国立劇場バレエ団「ベートーヴェン・ソナタ」 | 新国立劇場 ダンス

2019年11月30日ー12月1日 新国立劇場中劇場

f:id:cocoirodouce:20191202181924j:image

振付・中村恩恵、音楽・ベートーヴェン、さらに首藤さんも出演、これは気になる。2017年初演で今回は再演とのこと。チケット完売してたけど直前になって買えた!そんなこともあるのだね。

 

新国立劇場の中劇場の前方10列近くまでとっぱらって奥行のある広い舞台に。これで2公演、ある意味贅沢。奥行を活かした演出、装置。ライティングも良くて、久しぶりのダンス公演だったけど、観れてよかった。満足。

 

さまざまな曲と場面がつながって、ベートーヴェンの人生をたどる作品。NDTっぽいと思ったり、プティの『Proust』も思い浮かんだ。なんとなく、ちょっと雰囲気似てませんかね。

 

首藤さんのあの、ちょっと狂気を帯びたような存在感が好きなんだが、今回もさすがだわーとなった。極端に言えば、踊らずとも語れる身体。若さやテクニックだけではどうにもならない”何か”。

以前観た中村さんと首藤さんのでル・コルビュジエの作品があって、あの時も台詞があったんだけど、今回のベートーヴェンも出だしで首藤さんが喋るのだよね。これが、必要なのかどうか。どうだろう。いや、首藤さんはいい声だし台詞も上手いんだけど。

 

新国の公演を観たの何年振りだろう。実は私、ちょっと苦手なのだ。なんで苦手なのかと自分でもずいぶん考えているのだけど。

 

この作品でいうのなら、もっと骨太で大人であって欲しい、という願望かな。

個性や文化や骨格など色々あると思うのだけど、若く幼く軽く見えることは必ずしも長所になるとは限らない。まあ、私の好みの問題だけど。

ベートーヴェンソナタでは、首藤さんと本島さんのデュエットが突出して好きだった。雄弁だった!本島さん、強くて美しい。首藤さんと小野さんのも良かったかな。

一方群舞になると、大人感、質量感が足りないの。(※好みの問題です)

あと、表情の作り方とかかな…。勝手なことばかり言ってるけど。

 

 

などなど考えているとこの作品はやはり首藤さんあってこそだな。