アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』ライブ配信

1月9日-11日に予定されてた新国立劇場バレエ団の公演が、関係者に新型コロナ陽性が出たということで中止になってしまった代わりに、1/11に行われた無観客での無料ライブ配信

 

【公演中止/無観客公演ライブ配信】ニューイヤー・バレエ | 新国立劇場 バレエ

 

プログラムは、パキータ / Contact / ソワレ・ド・バレエ /カンパネラ / ペンギン・カフェの三部構成。

 

ペンギン・カフェ』いい作品ね!パッと見で子供向けの作品なのかと思ったら、現代に生きる私たち地球人へのメッセージが素晴らしい。音楽もいい。これはもっと踊られてほしい。

1988年初演(ロイヤルバレエ)とあるから、ビントレーはその頃から地球、環境、エゴとエコ、といったことを考えていたわけだな。とても”いま”らしく感じるけど、それは初演から30年以上経ってもなお私たちがうまく取り組めていないということの証なのかもしれない。

 

公演プログラム

B_NYB_programme

キャスト表

https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/pdf/newyear2021-cast.pdf

 

このライブ配信、28000人ほどが視聴したそうで、大成功だったのでは。本来なら劇場で3公演だったところ、仕組みとしては世界中から無料でアクセス可能だったことでかなり幅広い人が見た可能性。有料でもよかったのに!となったらこういう方法も。

 

新国立劇場 インターネット小口寄附 | 新国立劇場

 

 

さて、新国立劇場についてはステイホーム期間中にさまざま観たカンパニーや作品の中で、自分の中でどうしてもぬぐえない違和感のため、正直どうかなあと思っていた。第一部『パキータ』をみてやっぱり違和感でいっぱいになってしまい、ちょっとその思いを第二部まで引きずってしまった感。

 

気になってしまうのは(主に女性ダンサーの)表現手段としての”表情”なのだが、全員ではないけど、私には「その表情、どんな感情を表現してるの?」「どういう気持ちの時にその表情になるの?」というのがわからないことがあるんだよね…。

というのも、他では見ない表情(表現)だと思うから。日常生活の中でも見ないし、自分もしないし、他国のカンパニーでも見ない。(と思う)

その独特の表情・表現が、好きな人もいるだろうし、そこに個性を見出す人もいるだろうし、何も気にならない人もいるだろう。しかし私には違和感として、作品を見る邪魔になってしまう…。

過去を新国の思い出を振り返ってみても、眠りのオーロラ、ラ・バヤデールのニキヤ、マノン、ロミジュリのジュリエットといった中でも気になって仕方がなかった。気になったことをすごく覚えている。(特定のダンサーに限った話ではないし、主役だけの話でもない)

 

これまでもなぜ私はそこが気になってしまうのかと散々考えて、もう諦めたのだけど、これがある限り私はこのカンパニーでの全幕物はおそらく心底入り込めることはないし、感動もできないのだと思う。仕方がない。

たぶん私は女性ダンサーたちにもっと強い大人の女性像を求めてるんだろう。日本の女性に求められがちな若くて華奢で軽くてか弱くて未熟なイメージを払拭してほしいんだ。その逆を感知してしまうとダメなんだろうなきっと…私の側の問題だけど…。

 

そんなわけで、当面劇場に足を運ぶ予定はないかなーという感じではあるのだけど、それもまたいつどう気持ちが変わるかわからないしね。『ペンギン・カフェ』という発見もあったし、無料配信は感謝。今回の企画が今後につながりますように。