アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

国立劇場 初春歌舞伎 通し狂言『遠山桜天保日記』

www.ntj.jac.go.jp

1月3日(火)~27日(金)
未来へつなぐ国立劇場プロジェクト
初代国立劇場さよなら公演
通し狂言 遠山桜天保日記-歌舞伎の恩人・遠山の金さん-

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1月は菊五郎劇団の楽しいお芝居がお決まりだった国立劇場。日本にいる時は結構観てるんだよね初春歌舞伎。今年はブラボーとウサギ。

 

「遠山の金さん」はなんとなく知っていたものの、実際の金さんは30歳くらいまで身分が確定しておらず(お父さんが養子に入った人で、金四郎はその息子として生まれ、その後その家に息子が生まれ(金四郎の義理の弟)、家督はその義弟が継ぐが早くに亡くなったために金四郎が継ぐことになった。そう決まるまでは将来が見通せない宙ぶらりんの立場だった)、その不安定な時期に街中の一般人と多く関わったことがのちの名裁きにつながった、清貧が要求され芝居など庶民の娯楽が潰されそうになった時代、そういうものは人々に必要だと守ったのが金さんだと、そういう話は知らなかった。しかし有名な桜の彫り物は本当にあったかどうか不明らしい。

 

それぞれに事情を抱えた人々が、必死に生きる中で道を外す、しかし根っからの大悪党にはなれない。そういう罪人を遠山金四郎が温情深く裁く。そこに至るまでの物語。まあちょっとその裁定はさすがに甘すぎじゃない?ってなったけど。初春だからね。(笑)

 

時蔵さんが復帰していた。よかった。久しぶりの通し狂言で私は観てただけなのにすっかり疲れてしまって、役者さんたち本当に凄い体力。。これからもお身体お大事に。菊五郎さんは80歳だもんね。声も良く通るし、お元気そうに見えるけども、くれぐれもお大事に。丑之助くんも早く元気になりますように。

右近さんが清元のお稽古つける場面で歌うのがとてもよかった。あれもっと長くてもいいよ!

 

建て替えが計画されている国立劇場。建て替え前の最後かと思うと、幕間にぐるぐると歩き回ってしまった。絵画や彫刻がわりと無造作に並んでるんだよね。

それにしても、本当に建て替え必要なの?高層階はホテルにするんだとか。「国立劇場」なのに。そのホテルは誰が経営するのか。

それに建設を引き受ける会社がないとか聞いたけど、誰が立て替えるか決まってないのに壊すことは決まってるんだろうか。色々と謎すぎる。

6年後の予定だけど10年かかるなんてのも見かけて、すごく心配。劇場が不在の間、今まで国立劇場でなされてきたことが途切れずに新劇場に続くのか。心配。

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これまでの公演情報が公開されている。こういうの大事。

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