アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

Kバレエ【配信】『クラリモンド~死霊の恋~』

1日限定無料配信、拝見。

【3/5(土)配信】『クラリモンド~死霊の恋~』全編 特別無料公開! | K-BALLET COMPANY / K-BALLET FRIENDS

 

当日以降はリンクが切れてしまうと思われるので紹介動画を。

youtu.be

 

約1時間の作品。熊川さんの新作。

舞台がフランス、娼館やマダムに娼婦たち、そしてショパン。これでノイマイヤーの『椿姫』を思い出さない方が無理な話。もちろん熊川さんはそれはわかってて敢えて選んでるだろうけど、なかなか難しいよね。こちらは馴染みある音楽が流れれば『椿姫』の場面が浮かぶ、もうそういう身体になっちゃってるので。

 

舞台と音楽は『椿姫』を想起させるけど、振付はというと、なんとなくバタバタした印象。でもそれは映像の問題かもしれないのでなんとも言えない。全般にわたってカメラが寄りすぎなので、全体像がよくわからなかった。プティ?と思うところがあったりもして、新しい作品を創作する難しさよ!となった。

それと同時に、新作を配信のみで観る難しさも感じたな。劇場で集中して舞台を見ているのと比べてどのくらい作品の魅力を受け止められただろう。

 

カメラワークによりダンサーらのメイクや表情はよく見えるのだが、日本のバレエ団の中では大人だ。特にソリスト。娼館の様子をそれなりに演じられるカンパニーがあるかというと、どうしても幼く見えてしまうので違和感があるんだよね、日本のダンサーたち。

これは観る度にモヤモヤし続けてる話なのでもうあまり触れたくないのだけど、Kバレエは「かわいい」とか求めてないところは個性としてとてもいいと思う。大人の物語がちゃんと演じられるのは大事だ。大人が(も)観てるので。

 

最後に劇場でKバレエを観たのがずいぶん昔になってしまったのだが、プリンシパルもずいぶん変わったし、衣装やセットのこだわりはさすがの熊川さんだなと思うし、これだけのカンパニーを運営してるのほんと凄いよね。

 

『クラリモンド〜死霊の恋〜』全編
【演出・振付】熊川哲也
【出演】
 クラリモンド: 日髙世菜
 ロミュオー: 堀内 將平
 セラピオン: 石橋 奨也
 バーバラ: 浅川紫織
 ほか Kバレエカンパニー
【指揮】井田勝大
管弦楽】シアターオーケストラトーキョー
【収録日時】2022年1月30日(日) Bunkamuraオーチャードホール
【上演時間】60分