6月4日にパリ・オペラ座バレエ団でアデューを迎えたばかりのステファン・ビュリオンが客演するとあっては見逃せない。
当初の発表ではエスメラルダ、フェビュスにロシア人ダンサーが予定されていたのが来日不可となりキャスト変更。コロナ禍に加えてこんな事態も起きるなんて、本当に未来なんてわからないものだ…。
そんなわけでステファンの来日も本当に実現するのか直前までやきもきしたのだった。来てくれてありがとうステファン!!!
2022年6月12日14時キャスト
カジモド:ステファン・ビュリオン
エスメラルダ:スザンナ・サルヴィ
フェビュス:アルマン・ウラーゾフ
フロロ:ラグワスレン・オトゴンニャム
牧阿佐美バレヱ団はプティ作品をレパートリーに持っているカンパニー。古典とはまた違った強烈な個性が求められる作品だと思うし、これは普段からやってないとなかなか難しいのではないかと感じる。わりと最近パリオペでの同作品の公演が放送されたこともあり、そのイメージが脳内にある。
ステファンのカジモドが舞台に現れて、それだけでジーーンとしてしまう。オペラ座でのキャリア、アデューの日をどんな気持ちで迎え、そして味わったんだろう。(作品関係ない(笑))
ダンサーってやっぱりその人の内面が表れると思うんだ。ステファンの、ちょっと内気っぽい、内省的な雰囲気や、穏やかで優しいところ、それがカジモドの人物像に表れる。
内側に豊かさがないと、がんばったところで空虚に見える。若いダンサーの皆さんにはぜひとも踊る技術だけでなく多面的に豊かな人間であってほしい、それを目指してほしいと思う。(ローザンヌの放送見たばかりなので、つい。余計なお世話ですけども)
こんなにカジモド目線でノートルダムドパリを集中して観たことなかった気がする。悲しいなあ。。。人としての尊厳。愛すること、愛されること。はあ。。
オペラ座は定年で引退したけども、まだまだ全幕ものも踊れるし、演技の深みも身体も素晴らしいし、来シーズンの『マイヤリング』に出るという話なので、パリまで飛んでいきたい…。
日本でステファンの踊りを見られるのはきっと今回が最後だっただろう。来てくれて、そして呼んでくれてありがとう。
ローマのスザンナさんのエスメラルダもよかった。あの役はやはり強い女性でなくては。なかなか日本人ダンサーには難易度高い部分ですよね。(青山さんの日は見てなくてすいません)
フロロとフェビュスはどうしてもパリオペのマチアスとフロリアンがね!あまりにもお気に入り過ぎて!帰宅して映像を確認してしまったよね。
しかしパリオペでこの作品が再演されるのは次はいつだろうなあ。カジモド役を誰がやるだろうか。二コラとステファン、さてその次は?
そしてもう一点、余計な事なんだけど、プティ作品に必ず登場する某氏について。ジェルマンの本で言及されていた某氏ですけど、パリオペでも他のカンパニーでも、今後新たにプティ作品を踊りたいと思ったら彼に気に入られなくてはいけないわけですよね?ジェルマンが書いていたようなパワハラ・セクハラに見えるようなことがもう起きないように、カンパニーの上層部などがちゃんと関与すべきなのでは。ジェルマンは彼が来る限りプティ作品のオーディション受けないんじゃないか?(=踊れない)
ダンサーが嫌な思いを我慢しなくては踊れない作品なんて、観たくないんですよ。よろしく頼みます。