映画『Girl』は予想以上に心に重くくる作品だった。
トランスジェンダーの少女ララの焦燥感。
クラシックバレエという、自分の身体と鏡と常に向き合う世界。
一致しない心と身体。
ララの終始曖昧な微笑みが観てるこっちの不安感を掻き立てる。
いつ壊れるか、いつ爆発するかとずっとハラハラしながら観ていた。そしてあの最後。
舞台はベルギーで、家族やドクターやバレエ教師たちの支えがここまであっても救われない。その辛さがあまりに重く、どーんと落ちてしまった。
この映画のテーマからはちょっとずれるけど、クラシックバレエ作品の世界での古典的なジェンダー観というのは、現代の若いダンサーたちにとってどうなんだろうなと考えることがある。
現代作品においては、若い振付家たちの作品にはジェンダーフリーなものも多くあるし、衣装も男女差がほとんどなかったりと、より”今”を反映している。ダンサーたちにとってもその方が心地よかったりするのかな。