演出 イヴォ・ヴァン・ホーヴェ
美術・照明 ヤン・ヴェーゼイヴェルト
イザベル・ユペール
ジュスティーヌ・バシュレ
シリル・ゲイユ
アントワーヌ・レナール
イザベル・ユペールが来るというので当初の発表の時から観たいと思っていた本作。コロナ禍で延期延期となってもう中止か?なんて思ったりもしたのが、ついに実現。ありがたい。
当初はユペール様目的だったとはいえ、実際に観たら、ユペール様と共演する俳優陣、演出、美術やライティングの使い方など全体として超よかった。普段あまりストレートプレイを観ない私だけど、素晴らしかった。
国も時代も違っても、こんなに響く。原作の持つ力でもあるだろうし、今の、現代の私たちに向けて作品を作り上げた演出家のイヴォ・ヴァン・ホーヴェら、そしてそれに応える4人の俳優たちの力量と個性。
夫は家を出て行き、その後ひとりでローラとトムを育ててきたアマンダ。
あまんだー---!!!(ユペール様)
ユペール様のあの、底の見えない感じの怖さ、狂気も感じる朗らかさ、声の多彩さ、身体の軽やかさなど、俳優ってほんとすごいな…。尊敬せずにはいられない。
後半登場するジム。ジムとローラ2人の場面が本当に美しく沁みる。ジムとローラがお互いを補い合うかのように見えた。6年ぶりの再会で、短い時間の間に、あっという間に2人の距離が縮まる。心がほぐれていくさま、通じ合う様子。泣く。
ローラのしあわせを願わずにはいられない。ローラは周りが思うより強いのだ。きっとしあわせになる。(願望を込めて)
そしてシアタートークでイヴォさんが語っていて発見だったのが、トムからジムへの気持ちである。ああ、そうか、そうだったのか。思い返して切なさが募る。
ジムが去り、その後のアマンダ、ローラ、トムがそれぞれどう生きたのか。アマンダの叫び。嗚呼。
これフランス語になって、フランスの俳優陣が演じたことで、やはりなんというか、そういう雰囲気が生まれているのだと思うのよね。”そういう”ってなんだよって、うまく言語化できないのだけど。なんせユペール様が存在感あるから。
私の席からだと字幕(舞台上部に日本語と英語)に目をやると俳優から目を離すことになってしまうので、字幕はほぼあきらめて、理解度落ちても芝居に集中したかった。あと早口なところ多かったので字幕は省略されてたところも。
フランス語にどっぷりの2時間でよかった。途中休憩で現実に戻りたくないしね。
今日のシアタートーク後日公開されるらしいのでまた見たい。
オデオン座かあ。パリでお芝居もいいな。いざ行くとバレエ最優先になっちゃうからなかなか行けないんだけど。
今回のプロダクション、オデオン座でも11月に再演するんだね。