アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

歌舞伎座 十二月大歌舞伎『日本振袖始』

十二月大歌舞伎、第四部『日本振袖始(にほんふりそではじめ)大蛇退治』を観てきた。

 

www.kabuki-bito.jp

 

玉三郎さんに代わり菊之助さんの岩長姫実は八岐大蛇。前回は玉三郎さんで観たはず。(記録を検索したら2014年だった)

こういう、美しい姫が実は大蛇でしたみたいな、何それ!っていう設定、とても歌舞伎らしくて好きなのだ。

 

坂東玉三郎 休演のお詫びと代役のお知らせ|歌舞伎美人

 

初演が300年前という歴史ある演目。今回イヤホンガイドありで観たこともあり理解度深まった。

女が恨みを女にぶつける「女vs女」の構図、コミュニティのために若い女性を生贄として差し出す、そして連れていく男どもは生贄女性を置いて逃げ帰る。身分高い男性が姫を救ってめでたしめでたし。

設定やストーリーをよくよく知ると、「は?」ってなることも多い歌舞伎。時代が違うから仕方がないとはいえ、全然気にならないと言えばウソになるし、今後気にしなくなるとも思わない。

例えばシェイクスピア作品が時代と共にどう演出されどう演じられるか、みたいなのも、ちょっと考えてみたくもある。

 

さて今回。急な代役でどのような準備を経てきたのだろうかとか、玉三郎さんからどんなアドバイスをもらっているのだろうとか、そんなことも考えながら観た。姫モードと大蛇モードの落差の大きさであったり、その過程の微妙に変化していく様というのは演者それぞれにだいぶ違いが出るのだろうなと思う。初見のインパクトからすると今夜はそれほどではなかったけど楽しく見た。そして、やっぱあの変身ぷりは凄いな!同じ人が演じてるとは思えない。

 

歌舞伎は1か月通して同じ役を同じ役者さんが演じるので、最初の1週間を菊之助さん、その後を玉三郎さんと、同月に別キャストで観られるという珍しい機会。事情が事情なので喜べないけど、ぜひ後半も観に行きたいな。

 

歌舞伎座は引き続き一席空けてチケット販売してるので全部売れても客席半分なんだけど、半分でも売り切れるには到底至っていないため、開演前の客席がシーーーンと静かでね…。なんか、あの、開演前のざわざわした感じが懐かしい。大向こうもないし。

 

間隔空いてるし喋らないし、黙って舞台観て帰る分には危険は感じない。行き帰りの電車が混んでると困るかな。昼間の時間帯はもうちょっと埋まってるのかもしれないけど、今夜はなんかさみしかったなー。

筋書き復活してたので買いました。(以前よりだいぶ薄い)イヤホンガイドも保証金なしで貸してくれる。

f:id:cocoirodouce:20201209112912j:image