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【東京】バレエ・スプリーム

パリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤルバレエ団から選りすぐりのダンサーが登場したガラ公演、バレエ・スプリーム。

 

バレエ・スプリーム/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会

2017年7月26日ー7月30日 文京シビックホール

 

特に素晴らしかったのがAプロ:パリオペのミリアム・ウルドブラームとマチアス・エイマンによる「白鳥の湖」二幕。昨年末にパリで全幕を観ているので、その時の感動の記憶と相まって、2人の作り出す物語に胸を打たれる。ほんの一部の抜粋なのに!この2人の踊りが好きすぎて泣く。

同じくAプロ:ロイヤルのフランチェスカ・ヘイワードとフェデリコ・ボネッリの「ロミオとジュリエット」バルコニーの場面もステキだった。

 

Bプロでは、ミリアムとマチアスによる「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」、まるでこの作品を初めて観るかのような新鮮な輝き。最近のこの2人が好きすぎて観るたび大変。

Aプロで不調に見えたレオノール・ボラックとジェルマン・ルーヴェの「ロメオとジュリエット」は、鬼難度のヌレエフ版が引き出す”生身の”ダンサーが役柄にとても合っていて、新エトワールとしての存在感を見せてくれた。ほっとしたわ。

Bプロのロイヤルではヤーナ・サレンコとスティーヴン・マックレーの「ドン・キホーテ」がそのテクニックとショーマンシップで突出。

 

全ダンサーが一同に登場する「ドン・キホーテ」「眠れる森の美女」のディヴェルティスマンはキトリやバジル、姫も王子も何人いるんだよ!というおもしろさ。目がいくつあっても足りない。

 

パリオペ、ロイヤルそれぞれの得意な演目、持ち味を持ち寄り、2つのバレエ団それぞれの魅力や特徴を見比べられる面白い企画、と期待してたのだけど、そこまでの工夫はなかったような。いいガラ公演を企画し実現するのって本当に難しいんだな。ただいいダンサーを集めて有名なパドドゥを並べればいい公演になるというものではない。

 

とはいえ素晴らしいパフォーマンスを観る至福。

次回があるかわからないけど、よりよい企画になっていくといいな。