ローザンヌバレエコンクール50周年を記念して、ローザンヌを経てスターになったダンサーたちが帰ってきた!というガラ。豪華。
1週間子供たちのレッスンやバリエーションを見ていたから、大人の貫禄と表現力にやっぱ違うわーとなった。(当たり前)
ベテランダンサーたちの生き様といっていいパフォーマンスは、コンクールからその先の道のりの長さ、ダンサーとして人としての成熟がどこまでいくのか、というのを見せてくれる。
ローザンヌで1週間過ごした子たちにも、コンクールの”転戦”とは別の世界が待っているのだよね。
ガラを見ててぬおーっとなったのがマルセロ・ゴメスがアレハンドロ・アゾリンと踊った牧神。なんですかこれは!!!凄いものを観てしまった感。振付はデイヴィッド・ドーソン。真夜中でぼんやり見てたのに目が覚めた。
ロイヤル組が活躍。マックレーのタップも含め、バレエ・ダンスの世界の広さはいいよね。まだまだ偏りはあるけど、作品が多様になれば身体条件等のこれまでの”常識”も薄れたり広がったり変わったりしていくと思う。これは観る側にも求められることだと思っていて、王子や姫の役のイメージももっと様々あっていいのではないかと。(自分への言い聞かせでもある)
コロナ禍でビデオ審査のみだった2021年に1位になったポルトガルのアントニオ・カサリーニョ!コンクールの時と同じディアナとアクテオンで、もしかしてあの時の!?と思い出した。素晴らしい踊りで、ビデオ審査でも評価は正しかった!と証明してる感じ。マッケンジー・ブラウンらもプロになってまだ数年だろうに、やはりローザンヌの時点で図抜けていた才能は間違いなかった。
ところでコンクールそのものは、傾向としてヨーロッパ男子はコンテが良いなあ。特に15,16歳の男子はまだクラシックの技術や身体が出来ていないように見えても、コンテになると見応えがあったりする。
逆に日本人の子たちはバリエーションは上手でも、コンテで表現する個が弱い気がした。教わったことをそのまま実現する、というその先を考えるなら(プロでやっていくには)、”従順な良い子”の枠からはみ出る勇気みたいなのが必要なのかもしれないね。みんな一緒でそれをよしとされる文化の中では簡単じゃないけど。(先日の新国ニューイヤーバレエの感想にも通じる)
セミファイナルでめっちゃ大人なタリスマンを踊った子がいて、調べたらシアラヴォラの生徒だったんだが、なるほどあの個性はフランス文化の中で育ったんだなあと勝手に納得してしまった。もちろん文化だけじゃなく個人が先にあってのことではあるんだけど。
毎回よくローザンヌ来たねっていうレベルの子がいたりもするが、世界中のバレエっ子たちの中から選りすぐるとああいう感じになって、その上位が決勝に残る子たちで、その中のまたごく一握りがプロとして活躍して10年後20年後にスターとしてローザンヌに帰ってくる、という、なんともまあ凄い世界である。バレエっ子たちに幸あれ。
Alina Cojocaru & Friedemann Vogel
Lady of the Camellias
Choreographer: John Neumeier
Music: Frédéric Chopin
Laura Fernandez & Xander Parish
Closure
Choreographer: Juliano Nunez
Music: Franz Schubert
Matthew Ball
Dance of the Blessed Spirits
Choreographer: Frederick Ashton
Music: Christophe Willibald von Gluck
Madison Young & Julian Mackay
Giselle
Choreographer: Marius Petipa
Music: Adolphe Adam
Marcelo Gomes & Alejandro Azorin
Faun(e)
Choreographer: David Dawson
Music: Claude Debussy
Elisa Badenes & Vadim Muntagirov
Black Swan pas de deux
Choreographer: Marius Petipa
Music: Pyotr Ilyich Tchaikovsky
Maria Kochetkova
27 Zero
Choreographer: Ella Rothschild
Music: Franz Schubert
Partner School Choreographic Project
BOLD
Choreographer: Goyo Montero
Music: Owen Belton and Claudio Frasseto
Marcelino Sambe & Francesca Hayward
The Dream pas de deux
Choreographer: Frederick Ashton
Music: Felix Mendelssohn
Steven McRae
Czardas
Choreographer : Steven McRae
Music : Vittorio Monti
Mayara Magri & Victor Caixeta
Don Quixote
Choreographer: Marius Petipa
Music: Ludwig Minkus
Alejandro Azorin
Solo 01: 3 Parts Ligeti
Choreographer: Houston Thomas
Music: György Ligeti
Precious Adams & Eric Snyder
This Bitter Earth
Choreographer: Christopher Wheeldon
Music: Clyde Otis, performed by Dinah Washington from the motion picture soundtrack for Shutter Island
Mackenzie Brown
Limelight
Choreographer: Katarzyna Kozielska
Music: New Tango Orquestra
Margarita Fernandes & Antonio Casalinho
Diana and Actaeon
Choreographer: Agrippina Vaganova
Music: Cesare Pugni and Riccardo Drigo
Mizuka Ueno
Dying Swan
Choreographer: Michel Fokine
Music: Camille Saint-Saëns
Olga Smirnova & Victor Caixeta
Nutcracker pas de deux
Choreographer: Jean-Christophe Maillot
Music: Pyotr Ilyich Tchaikovsky