アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

Chemins Croisés 本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語

久しぶりの写美へ。

 

本橋成一ロベール・ドアノー
交差する物語
2023.6.16(金)—9.24(日)

topmuseum.jp

 

「写真は観る者に想像力を与える」

切り取られた一瞬を見て、その中、その外のあれこれを想像する。どんな場面なのか、何を思っているのか、今この場所やこの人はどうしているだろう、みたいに世界が広がる。

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本橋とドアノー、並べてみるとなるほど共通点を感じる。ドアノーの次女のフランシーヌさんが本橋の写真には木村伊兵衛とアンリカルティエブレッソン、そしてドアノーらが結んできた日仏写真家のamitiéの延長線上にある。当時の彼らの写真にあったamitiéを感じる、といったことを話していた。とてもわかる気がした。2人が同じテーマで撮った写真、例えば炭鉱や市場で生きる人々の写真などに特に感じる。

 

ドアノーのパリの写真は、なんだか郷愁にかられることがある。その時代のパリを知らないのに、胸をぎゅっと掴まれるような気がする写真があるフシギ。好きだからでしょうか。(笑)

 

本橋の写真はドアノーと並んでなんの違和感もない。原発事故後のベラルーシの写真は、今のウクライナ戦争ともなんだか重なる気がして、もっと見たい。ごく普通の人々の、ごく普通の日常生活。当たり前にあったものが、ずっと当たり前とは限らない。

 

しかし写真家というのは、見知らぬ土地に行き、言葉がわからなくてもその土地の人々と交流して、その人々に寄り添い、彼らを尊重してこそいい写真が撮れるのだな。見る者に想像力を与えるような。ドアノーも本橋も、そこ。

 

バレエ公演から写真展へ。動から静へ。

写真もいいよねー。

 

こちらの動画は会場でも流れていたもの。ドアノーの娘さん二人のお話よかった。

youtu.be

 

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