アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

ウクライナ国立バレエ「Thanks Gala 2023」

www.koransha.com

 

ウクライナ支援の気持ちはもちろんだけど、アッツォーニ/リアブコの「シルヴィア」が観たかった。ハンブルク来日公演では踊らなかったこの2人の「シルヴィア」見逃せない。

 

ゲストダンサーにインタビュー!vol.1 アレクサンドル・リアブコ

 

ハンブルク来日公演の時に全幕で観ているから、3幕のあの場面の持つ意味がより味わい深い。そして若手ではなく、来日公演では叶わなかったアッツォーニとリアブコというこの二人が踊る意味が深い。この二人を観ると、精神の美しさとか、魂の結びつきとか、普段の私だったら思いつかない思いが湧いてくる。観ているこっちの心が洗われるんだよな…。尊い。彼らの踊りを生で観られる機会があとどれくらいあるだろう。大切にしたい。

 

第二部「森の詩」はなんとも雰囲気があってよかった。私はウクライナに行ったことないんだけど、とてもウクライナらしい作品なのではないか。コールドもきれい。

 

マトヴィエンコ夫妻のは、私には暴力的に見えてしまった。振付ゆえなのかもしれないが、デニス・マトヴィエンコの立ち振る舞い、雰囲気がなんか乱暴に見えて。

 

最後の「ファイブ・タンゴ」はちょっと長かった。来日しているダンサーがほぼ出ているのかな?14人による、淡々と”踊り”を見せる作品。

 

この1か月ほどで、ロイヤル来日公演の『ロミオとジュリエット』、パリオペラ座の「オペラ座ガラ」と「ル・グラン・ガラ」を観ているので、ウクライナ国立の踊りはほんと”踊り”である。ある意味正統派というか、飾りは不要です、といった感じ。

 

バレエといっても様々なものがあり、様々なカンパニーがある。世界は広い。そしてウクライナのバレエ団が置かれている状況、団員らの家族や友人らのこととか、今彼らは舞台上でどんな気持ちで踊っているのだろうと考えずにはいられない。

 

昨年12月に『ドン・キホーテ』を観ていて、あの時も主役やソリストのプロ意識を感じたけども、今回もそうだったなー。なんというか、プライドを感じるというか。どんな状況、環境でもプロの舞台を見せます、というような。

 

早く戦争が終わってほしい。彼らが思い切り踊れる生活を取り戻せますように。

 

f:id:cocoirodouce:20230805203630j:image