アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

【パリ】パリ・オペラ座バレエ団『白鳥の湖』(12/11)

パリ・オペラ座バレエ団「白鳥の湖
Le lac des cygnes
11/12/2016 14h30 à Opéra Bastille
アマンディーヌ/マチュー/アリュ

 

久しぶりのパリオペ白鳥生鑑賞!この日はRêve des enfants (子供達の夢)という普段は公演見れない小さい子たちが客席にたくさんの公演。なので、いつもは拍手が起きないとこで拍手したりとか、ちょっと騒いじゃう子がいたりとか。子供達に多くの席が確保されてたので上の方の席しか取れず遠目鑑賞。(同じキャストでもう1回は普通の公演で観た)

 

一幕のマチューソロ。その憂い、苦悩の深さに胸をえぐられる思い。ひとつひとつのパがとても明確でそれが王子の育ちの良さ、純粋さ、それゆえの傷つきやすさを物語る。
王子の苦悩を操る家庭教師アリュがカールのとは全然違って人間臭い(褒めてる)。アリュ先生による"指導"でキラキラと輝きだす王子。マチューのあのキラキラ感は宝!

 

三幕、オディールと王子の駆け引きっぷりがたまらない見応え。オディールに拒否されても引き下がらず、初めて強引にオディールを自分の元に引き寄せようとする王子。しかし一枚上手のオディール。フランス人女子はああいうの得意かもしれないなきっと(笑)アマンディーヌのオディール魅力的。


ジェルマンがエスパニョール踊ったのでほぼジェルマンしか観てなかったよ。同じ舞台上の傍にいながらマチュー王子を見て学んでるんだろうなーとか考えてしまった。(12/25ジェルマン王子デビュー予定)

 

四幕、もう2人で過ごす時間はこれが最後、破滅の時が刻々と迫る中の2人なんだ、というのが音楽と相まって胸に迫る。今日は遠かったからオペラグラスでガンガン演技を観てたんだけど、振付の意味が湧いて来るような感じがした。あれは2人にとって最後の瞬間なのだと。その予感の中にいる2人なのだと。

 

アリュ(家庭教師・ロットバルト)がとても生き生きと演じてて素晴らしい!踊る場面が少ないのがもったいない。もっと踊りも見たい。

 

実はこのキャスト、すごーく期待してたわけじゃないし期待してなかったわけでもないけど、意外にも良かったのです。マチューも年齢と経験を重ねて立っているだけ、存在するだけで何かを語る感じが出てきたのかも。ほら、もう、マチューはあまりにも美しく完璧すぎるがゆえに逆に制限されてた面があったのかもしれなくて、それから解放されてきてるのかな、と。勝手な解釈。