アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

【パリ】パリオペラ座バレエ団『白鳥の湖』(12/13)

13/12/2016 パリオペラ座バレエ団『白鳥の湖』@オペラバスチーユ

ミリアム/マチアス/カール

 

ミリアム素晴らし過ぎる!!!なんて美しいアームス。なんとリリックに語る腕。ああああぁぁ。(語彙追い付かず)

 

二幕パドドゥ。号泣しないように必死だった。ミリアムとマチアスの心の通じ合う様子、互いを信じ合う様。物語を語るのにセリフは必要ないのだよ。

 

こんなにも胸に迫る二幕がこれまであっただろうか。(メモりながらまた泣いている)直後の四羽の白鳥も涙をおさえるための"間"になっていた。それくらいミリアムとマチアスに心を持っていかれた。2人ともひたすら役を生きている。そこから生まれる本物の感情が観客の心を動かすのだよなあ…。

 

ミリアムの動き全てに意味があり「ただの振付」など一つもない。あんなに腕が語るダンサーいない。もちろんマチアスの美しい足さばきも格別だし、空中にいる間も表現する余裕がある。(これを観てしまうとジェルマンもまだまだなんだなあと感じる)

 

マチアス王子はオデットへの愛が深過ぎてオディールに求婚してしまう。自身への失望がでか過ぎて、最後ロットバルトに敗れるともう生きる気力がない。(スモークの中に埋もれたまま動かず終わる)なんという絶望、なんという悲劇。はぁぁ。


と、ここで少し冷静になってきたところで2人以外のメモ。

 

カールのロットバルトの悪魔的な美しさ健在。ミリアム・マチアスとのバランスもよい。一段上から王子もオディールも女王も操ってる感じ。三幕ではミリアムとの黒いコンビが2人の容姿と相まって似合う。この美しい悪魔たちめ!

 

パドトロワはレオノール/ジェルマン/八菜さんという未来のエトワール3人の豪華版。(この2週間後、ジェルマンとレオノールはそれぞれエトワールに任命された!)

 

アリュがチャルダッシュにいたんだけど踊る前後もずーっと濃い演技しててほんと生き生きしてる。脇にいてもやたら雄弁で思わず笑ってしまう。彼は本当に特別なダンサーで、エトワールになってほしいと願ってるファンも多いと思うけど、タイプ的にどうなるか。祈願。

 

ユレル/ティボーのベテランペアのナポリを観ると、引退間近世代と若手の踊りはずいぶん違うんだなーと。あの2人の優雅さやなんとも言えぬ丸みみたいなものを、今の若手も今後身につけていくんだろうか。2人とも素敵な踊りだったー!

 

しかしこんなにコールドに目が行かないパリオペ白鳥は初めてだったかも。それくらいミリアムとマチアスがすごかった。素晴らしいベア。