アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

パリオペラ座バレエ団日本ツアー2020『オネーギン』最終日

Ballet de l'Opéra national de Paris Tournée au Japon 2020

≪Onéguine≫

Eugène Onéguine : Mathieu Ganio

Tatiana : Amandine Albisson

Lenski : Germain Louvet

Olga : Léonore Baulac

Le Prince Grémine : Audric Bezard

 

ついに迎えた最終日。チケット買い足してしまった。マチューオネーギンとアマンディーヌタチアナ。

 

カーテンコールでは長い拍手に続き、おなじみ「SAYONARA See you again」のパネルときらきらの紙吹雪。出演していなかったダンサーやスタッフも登場して、舞台上のみんなと客席のみんなでお互いに手を振り合うというまれにみる状態に。(笑)

 

今回のパリオペ日本公演、新型コロナウイルス対策で自粛自粛の雰囲気の中、客席もマスクを着用したままという舞台から見ても異様な光景だったろうけど、こんな中でも無事に全公演を終えたという特別な気持ちが双方にあったのだなあと、それがわかる時間だった。いやー、これはちょっと、お互い忘れられない思い出になるよね。

 

さて『オネーギン』。このキャストで観るの2度目ということで1度目より冷静に観られた。この日のマチューオネーギンは演技薄目に見えた。マチューのオネーギンってやっぱり通常のオネーギン像からすると特殊で、シュツットガルト客演で観た時の衝撃からするとその点では薄れている。美貌で空虚なオネーギンはマチューならではだし、マチューならではでいてほしいのだけど、物足りなさも感じたのだった。なんだろこの贅沢。

 

私はアマンディーヌのタチアナにとても惹かれる。今日も最後のアマンディーヌに泣いてしまった。表情で語るのではなく、脚、身体、音楽性で語るアマンディーヌ。激しいリフトが連続する本作では、マチューにはアマンディーヌが大きいのだろう、圧倒するところまではいかない。アマンディーヌがユーゴと組んでいたら、もしくはパリで組んでいたオドリック(今回はグレーミン公爵)とだったら、というのも観てみたかった。

 

マチューは日本での10公演中、5公演で主演という重責。マチューの日が売れるという事情はよくわかるし、見たい気持ちは私もあるのだけど、10公演あったら、若手キャストの日があってもいいのではないかと思うのだけど、どうでしょうかNBSさん。

 

パリオペ日本公演を観に行く人の中には、好きなダンサーの日をリピートするファン、キャスト違いで何度も観るファン、など熱心な層がある程度いて、もしオペラ座期待の若手が主演する日が1日あったら、そこにはコアなファンが集まる気がするのよね。(笑)まあそれで2千席が埋まるかと言われると、答えに困るけど。でも、やってほしいなあ。私なら喜んで行くのだけど。

 

今回の全体を振り返ると、アマンディーヌの『ジゼル』が良かった。まさかジゼルで泣くなんて。我ながら予想外。まだまだわからないものである。

そして若手エトワールらについては、素晴らしいと再確認するところと、若いなあと思うところと、両方あった。当たり前か。

『ジゼル』と『オネーギン』という演目的に主役級以外の目立つ役が少なくて、コールドの皆さんの活躍を堪能しにくかったのは残念。でも初めての日本という若いダンサーも多かったと思われ、彼らのインスタでジャポンを楽しんでるのを見るのも楽しかった。また来てねー。

 

この2週間のパリオペ公演のために手洗いに励んできたけど、気が抜けちゃいそうだな。気をつけなきゃ。

 

あ!そうだ!日本もカーテンコールは撮影可にしてほしかった!!!最終公演のカーテンコール、動画に残したかったよー。脳内に永久保蔵せねば。

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