《L'Opera》 新世紀、パリ・オペラ座
ジャン=ステファン・ブロン監督 2017年フランス
パリ・オペラ座のドキュメンタリー。舞台裏でどんなことが起きてるか、どんな人が働いてるかを垣間見れる。アーティストたち、運営者たち、裏方さんたち、それぞれを淡々と追う。また子供たちに楽器を教えるプログラムの様子もあって、ああいうのが存在するのもさすがである。
主な登場人物はオペラ座総裁リスネール。彼の目から見たオペラ座、経営、交渉などなかなかおもしろい。ちょうどミルピエがバレエ団の芸術監督としての最初のシーズン、そして退任を発表する時期。リスネールがミルピエに進退を問う電話の会話は、これ公開しちゃうんだ(笑)、という内容。
ミルピエについてのメディアの質問も容赦ないし、退任が発表された後、ミルピエがダンサーたちを前に挨拶をして最後に「メルシ」って言ったのにダンサーたち誰も微動にしないってのが、ミルピエとダンサーたちの関係を物語ってた。
しかしオペラ制作ってどんだけお金かかるんだろ!でもパリオペは1シーズンにオペラだけでも8作品新制作するって言ってた(9だっけ)、さっすが予算規模が違う。マエストロ・ジョルダンの登場場面が多くうれしい。(でもウィーン行っちゃうんだよね)
そんなオペラ座も国からは人員削減を迫られ、組合からはストを宣言され、板挟みのリスネール。あれほどの準備を重ねてきて、ストで公演中止はアーティストとしては切ないよなあ。スト尊重のお国柄とはいえ。
エルヴェの踊る姿を久しぶりに見て、残り数ヶ月でアデューを迎える予定のエルヴェを思って悲しい。稀有な存在感を持った特別なダンサーだけど、長らく怪我に苦しんだダンサー。どんなアデューを迎えるのかな…。