アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

SIFA2018《Playlist #1》By Ballet Preljocaj (France)

振付家プレルジョカージュのこれまでの作品から、デュエットを中心に10作品を途切れなく繋いだPlaylist#1。

sifa.sg

Playlist #1 By Ballet Preljocaj (France)
9 & 10 May,  8pm SOTA Drama Theatre

 

プレルジョカージュと言えばパリ・オペラ座バレエ団の『Le Parc』。

というくらい私にとってはパリの思い出と結びついている振付家。でもPlaylist#1の中では『Le Parc』のパドドゥ以外は観たことがないものばかり。初見のものの方がニュートラルな気持ちで観られてよいこともある。

というのも今回の『Le Parc』は全然好みではなく、これまでいろんなキャストで観てきたものとはまるで別物のように見えたから。あの大人の洗練されたストーリー(のはず)がなんだか古臭く見え(94年パリオペラ座のために制作)、まるでメロドラマのよう。

私が観てきたあの作品はパリオペのダンサーたちが作り上げてきたのだなあと思い知らされた。(全幕でも観ているし、「解放」のパドドゥはガラなどでもよく上演されている)

振付のクオリティと、それを体現し洗練し作品のレベルを高めていくダンサーとの共作なのだよね。

 

Playlist#1に含まれるのは94年から現在までと年代幅広く、作風も様々で、好きなのもあれば微妙なのもある。いかにもプレルジョカージュっぽいと感じるものから、こんなのも作ってたんだ!という驚きも。

 

でも最後の『Roméo et Juliette』は文句なしに凄かった。あんなに激しいロミオとジュリエット。全幕上演ではないのにあそこまで演じられるダンサーも凄いし(いわゆる”バルコニー”と墓地の2つ)、振付の激しさ、容赦のなさが胸に刺さる。

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10個並べるとどうしても波があり、中だるみみたいな瞬間も出来てしまう気がする。とはいえみんなが同じところで中だるむわけではないだろうし、観た人がその中で好きな作品・瞬間を得られればよい、のかな。プレルジョカージュのショーケース的。

 

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