アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

ル・グラン・ガラ 2019 Aプロ

パリ・オペラ座のダンサー8人による公演、今年も開催。

Aプロはパドドゥ中心、Bプロは世界初演マリア・カラス」がメイン。

Le Grand Gala 2019

2019年7月23日―25日 文京シビックホール

 

ル・グラン・ガラ 2019 ~今一番観たい!スターダンサーたちの夢の饗宴再び!!~ 2019/7/23(火)~25(木) 文京シビックホール

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8人しかいないとは思えない充実の内容のAプロ。作品選びも良く満足度が高いガラ。この夏は色んな公演が続いているけど、パリオペの美しさは別格と再確認。

特に楽しみにしていたのが「ヘルマン・シュメルマン」「モレルとサンルー」だったのだけど実際に観てみたらほとんどどれもが良かった。

 

前半ではドロテとマチューの「マノン」寝室のパドドゥ、これは世界バレエフェスでも観ているけどこの2人の幸せオーラでいっぱいの踊りは観ているこちらまで幸せにしてくれる。

 

プティ「プルースト」”囚われの女”をアマンディーヌとオドリック。アマンディーヌはこういうのほんと素敵。2人ともドラマチックに語る踊りがいい。「プルースト」はパリで全幕で観ているのだけど、私にとってこれぞパリオペ、これぞフランス、なエスプリの詰まった作品なので、最近上演されてないけどぜひ再演されてほしい。

 

レオノールとジェルマンは懲りずにまた白鳥かあ、と思ってたのだけど今回はとても良かった!2幕のアダージオ。2人ともエトワールになったばかりの頃は本当に白鳥でノミネされたのかと思ってしまう時もあったのだけど、回数を重ね、経験を重ねたからか、とても良くなっていた。この2人が一緒に踊ると止まった時だけでなく軌道も含めてすべてが自然と揃うのが美しい。レオノールはコンテの方がいいと思うことが多いけど、今回のパドドゥはパリオペスタイルの白鳥という感じでとても好きだった。

 

そしてフォーサイス「ヘルマン・シュメルマン」!前からユーゴで観たかったやつ!いやー、シンガポールには来てくれなかったので久しぶりのユーゴだったけど、いやーー。凄い。目が離せない。ユーゴの大きい身体が動くたび空間もしなるような。なんかもう、なんだろ、語彙不足。今年ドレスデン・ゼンパーオーパーのImpressing the Czar、パリオペBlake WroksⅠ、そしてこのヘルマン・シュメルマンとフォーサイス作品を続けて観る機会に恵まれて、より今回のヘルマン・シュメルマンをフォーサイス!!として楽しめた気がする。

 

大注目マチューとオドリックのプティ「プルースト」”モレルとサンルー”、男性ダンサー2人のパドドゥとして有名だけど、生でパドドゥだけ観るのは初めてで、途中から始まるのにちょっと驚いてしまったのだけど、これをガラに入れてくれてありがたいよね。パドドゥとしてもっとのめりこむには最初のマチューのソロ部分からぜひとも観たいわけだけど。いつかジェルマンとユーゴも踊ってお願い。

 

さて後半。(長い)

ドロテのヌレエフ「ライモンダ」、1人であの大きい会場を支配する貫禄の踊り。セットも何もないステージで、1曲だけ抜粋なのに、一瞬で場を作るのさすがエトワール。

 

日本初演ヌネス「クロージャー」のレオノールとマチュー、これ好みだった!美しい2人の身体が存分に活かされていて、曲も振付も好き。衣装はなんで黄色なんだろ。

 

おなじみプレルジョカージュ「ル・パルク」”解放のパドドゥ”はやっぱりアマンディーヌがいい。この官能と美ですよ!このなんとも言えない大人の世界を描くのがパリオペ。


最後はいかにもガラですっていうプティパ「エスメラルダ」パドドゥだけど、貫禄のドロテと長身のユーゴが場を支配!って感じだった。ユーゴはあんなに背が高くて筋肉もあるのにジャンプが軽くて高くて着地の音が全然しないの!

興味深いのは、ドロテはマチューと踊る時は五分五分って感じで気合が感じられるんだけど、ユーゴと踊る時はむしろ若いユーゴに委ねてる感じがするんだよね。パートナーが変われば違ったドラマが生まれる。

 

「眠り」だけ省いてるけど、察してください。

 

長くなったからBプロは別途。

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