アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

パリオペラ座バレエ団日本ツアー2020『ジゼル』その2

その2ってなんだよって話ですが。

 

Ballet de l'Opéra national de Paris Tournée au Japon 2020

≪Giselle≫

Giselle : Léonore Baulac
Albrecht : Germain Louvet
Myrtha : Hannah O'Neill

 

パリオペラ座バレエ団日本公演『ジゼル』

2020年2月28日19時 東京文化会館

 

ジゼル2日目は若手エトワールコンビ。レオノール・ボラックのジゼル、アルブレヒトはジェルマン・ルーヴェ。ミルタとヒラリオンは初日と同じ。

 

ダンサーが違えば別の物語になる。この2人ってよく組んでるけど、正直まだ感動したことはないのよね。悪くないのだけど、そこから先の”何か”がまだないというか。

レオノールは、頑張ってます!という風に見えてしまう。エトワール歴もまだ浅いし力みがあるのだろうか。コンテではそうは感じないのだけど。1幕はキャラにも似合って可愛い。

 

ジェルマンは今更ながらほんと逸材。実年齢の若さを生かした役作り。無邪気で、悪気がなくて、ジゼルが死んでもその現実を受け止められない。2幕も、事の重大さを実感できぬまま放心状態で墓場にやってくる。美しい脚のライン、つま先、アームス、どこを取ってもプリンスを演じるのに理想的。そしてそれに加えてちゃんと明確な”自己”がある。ジェルマンアルブレヒトはあの後きっと前向きに生きて行ったと思う(笑)

 

昨夜のドロテとマチューが濃いドラマを紡いていたのと比べると、若さゆえの”軽薄さ”が良くも悪くも見えて、それも今しかない魅力なのかもしれないね。(前向き解釈)

ザ・古典のしょーもないお話『ジゼル』をドラマとして見せるドロテとマチューの演技力、説得力はさすがだったな。それぞれに役を1人の人間としてみせてくれた。若手コンビはまだそこまではない。いや全然悪くないんだよ!ないんだけど!約10年の経験値の差があるもんね、この先に期待。

 

初日はコールドまで観る余裕があまりなかったのだけど、今夜はエレオノール・ゲリノーがペザントもウィリも素晴らしかった。踊りが丸く柔らかくふんわりとしていてうっとり。若手のお手本よねー。今日は上から見てたんだけど、あんなにふんわり優雅に踊ってるのに結構な移動距離なんだよね。それをまったくバタバタして見せない。実はものすごくハードなんだと想像する。

 

2日連続でヒラリオンがオドリックだったんだけど、まさか、ミルタ同様にヒラリオンもシングルキャストなのかな??ペザントもフランチェスコだったし、パリオペさん、パリでもバランシンプロ公演中とはいえ、人員省エネし過ぎなのでは…。こんな時期だし日本に来る人数絞りたかったのかもしれないけど…。いろんなダンサー見たい。

 

今日は1階の見やすい良い席にごそっと空席があって、いろんな事情があるのでしょうけど、空席目立つのは悲しいね。週末は埋まりますように。


www.instagram.com

f:id:cocoirodouce:20200229101714j:image