アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

自宅でアート鑑賞その14

オーケストラが無観客でコンサートをしたりと徐々に公演が再開される兆しも。

個人的体感だと、クラシックやバレエの観客席が街中より感染リスクが高いとは思ってない。されるべきは科学的検証を根拠とした合理的な対策であって、「なんとなくリスク高そうだから」と過剰に禁止したり過剰な対策を強制することではないはず。「対策やってます!」とアピールするためだけの余分な手間暇や費用なんて、かけてる余裕はないよね。

ダンスの場合はダンサー同士が全く触れない、近づかないというのはほぼ不可能なので、観客より演者たちの安全をどう守るかが難しいんだろうな…。

 

ロイヤル・スウェディッシュ・バレエのダンサーたちが踊る、物理的距離を保つことが求められる世界での新作。

Försommarhälsning från Confidencen

舞台には6人のダンサーとピアニストとチェリスト。それぞれ距離を保ち、ダンスはデュエットでも互いに触れることはない。ドライだ。これが現状での1つの形。突き付けられるものがあるなあ。

 

 

ロイヤルオペラハウスがロックダウン後初のライブパフォーマンスを中継。

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この中でウェイン・マグレガー振付の新作をフランチェスカ・ヘイワードとセザール・コラレスが踊った。2人はカップルで一緒に住んでるので互いの距離を保つ必要がない。この”利点”が今後は結構重要なポイントになる可能性がありそう。カップルやフラットメイト同士なら一緒に踊れる(触れられる)のでキャスティングできるが、そうでない場合はソロや距離を保てるもののみしかチャンスがない、というように。まあ一時的なこととは思うけど。

彼らのパフォーマンスの後、スタッフ出演者みんなが片膝をついてBLMへの連帯を示した。ぐっときた。こういう意志表示をできるところのみが生き残っていくのだろう。

 

一方、ロイヤル『LA FILLE MAL GARDEE』ののほほん感は今の天気と私の精神状態には全く合わなかった(笑)。

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これ2005年の公演だったかな、マリアネラ若い!15年というのは結構違うもので、舞台上も客席もなんとなく現代と雰囲気が違う。ダンサーたちも今の方がずっと多様だよね。

 

 

シュツットガルトはクランコの『Concerto for Flute and Harp』

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これは珍しい形式なのではないか。男性ダンサー12人の中にプリンシパルダンサー(フォーゲルとムーア)も含まれていて、群舞としても踊る。ソロやPDDを踊ったと思ったらまたグループの中に戻る、というように。女性ダンサーは計2名しか出てこない作品。男女逆はよくありそうだけど。おもしろい。

 

 

アクラム・カーン『XENOS

XENOS by Akram Khan | ARTE Concert

じっくりみていたわけではないのだけど、ダンサー1人孤高の存在。インドの舞踊や音楽とさまざまな要素が交じり合い、これがカーンの世界へのメッセージなのだろうなあ。他者の存在、異文化に囲まれた時の気持ち、世界の中の自分。

 

 

シビウ国際演劇祭がオンラインで開催中。

FITS:2020

ルーマニアで開催されてる名前しか知らなかったフェスティバルがオンラインになることで見られるなんて、ありがたがるのもなんだか複雑なんだけど、なんとNoismが参加とな!!

 

シビウ国際演劇祭2020 online special editionにて、Noism1『R.O.O.M.』配信決定 | Noism Web Site

 

配信日時:2020年6月19日(金)04:20- / 16:20-(日本時間)
*全2回
*ライブ配信のみ。アーカイブ配信はありません。
視聴料金:無料

 

見逃せない。

 

ところでシビウでサシャ・ヴァルツの『KÖRPER』があったので見てみた。これ、去年のシンガポール国際芸術祭SIFAで上演されたんだけど観に行けなかったので。

いやー、びっくりした。タイトル「身体」そのとおりと言えばそうなんだけど、これよくシンガポールに招聘したな、よく上演できたなと、SIFAの尽力を改めて思ったり。シビウでも18歳以上とレーティングされている。

 

SIFAも今年は中止となってしまった。フェスティヴァルってやっぱり独特の雰囲気があって、新しいものとの意外な発見やつながりが見つかるものなので、世界中のあらゆるフェスが再開できることを願わざるを得ない。