アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

Matthias et Maxime(マティアス&マキシム)

グザヴィエ・ドランの新作「マティアス&マキシム」、狙ってたわけではないのだけど公開初日に観てきた。(ドランのポストカードくれた)

 

さて本作。私の中のドラン作品の2トップ「わたしはロランス」と「マミー」の壁は高い。(笑)

マイノリティや口をふさがれている人の側に立った作品というのは共通しているけど、今回の主人公はマジョリティからマイノリティへというか、それを受け入れる過程というか。まわりとだけでなく自分自身との折り合いをつけなくてはいけない。恋人がいて仕事も順調で、特に男性であると、社会のマジョリティとして生きることがあまりに当たり前すぎて、マイノリティであることを受け入れるのがより難しかったりするのかもしれない。

まあ、もともとマイノリティであると最初からあきらめていたりもして、それはそれでとても辛いものがあるのだけど。

 

この世の中の”理想像”に違和感を持たずに暮らせている人には気づかない、見えないことがたくさんあるのだよね。そこをじっくりと突いてくる。序盤のバンの広告の看板とか。パンのブランド名とか。

 

マイノリティといえばカナダにおけるケベック(仏語圏)も少数派なわけで、自分たちの母語と英語の微妙な関係も伺えたような。トロントからきた生粋英語圏のケヴィンの自信満々さというのが、マティアスの不安定な状態と対照的で。

 

パリの若者喋りも難易度高いけど、ケベックの若者喋りはほんっとにわっかんないのな!最初の方のわいわい会話、≪Arrêtes !≫くらいしか聞き取れず。そもそも大人数の会話って大変なんだよね、超上級。

 

カナダが舞台の映画ってドラン以外であまり観た記憶がないのだけど、背景や文化が伝わってきて、映画っておもしろい。

 

もらったポストカード↓

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