待ってたよーー!!
2024年2月17日13時30分
マノン ミリアム・ウルド=ブラーム
デ・グリュー マチュー・ガニオ
レスコー、マノンの兄 アンドレア・サリ
レスコーの愛人 エロイーズ・ブルドン
ムッシューG.M. フロリモン・ロリュー
マダム ロール=アデライド・ブコー
パリ・オペラ座バレエ団2024年日本公演 「マノン」 2月17日(土)マチネのキャスト
ミリアムを全幕で観られる至福。しかも相手はマチュー。そして作品は『マノン』。
なんと胸に迫る物語だったことか。沼地のPDDの美しく残酷なラスト。泣く。
今日はもうマチューとミリアムばかり追ってしまったので、周りのことはあまり見えてない。マチューがあまりの貴公子っぷりで、神学生のはずだけど、あのマチューと出会ってしまった16歳のマノンが好きにならないわけがないのよ。みんな目がハートになっちゃうよあれは。(マチューのアラベスクに目がハートになった私)
若い二人が恋に落ちて幸せいっぱいで、一番楽しい時だよね!ってなるのにね。。
今回のムッシュGMはすらりと長身のノーブル系(フロリモン)で、お金だけが魅力じゃなさそうに見えるところがまたおもしろい。そんなに嫌な奴じゃなさそう。で、マノンは自分の魅力がなぜかめちゃくちゃ価値があるらしいと気づいていく。
いや実際あの美しい脚にはメロメロになるよな…。
ミリアムとマチューのペアは、ふたりともベテランだし身体能力やスピード感やリフトの高さなどで魅せるタイプではない。それがマクミラン作品をあえてパリオペがやる魅力になっている。絶対にロイヤルでは見られない、パリだからこその『マノン』。感情を繊細な腕や首や背中や脚で表す。わかりやすい表情などは不要なのだ。その”美学”に心動かされるのだよな…はあ…溜息ばっかりついちゃう。
二幕のあの、マノンが男たちの間を浮遊するところ、観客席がめっちゃ集中して観ていて、拍手するのも忘れるほど。全体的に今日はみんな呼吸を忘れて見入るような感じがあった気がする。のめりこみすぎて拍手のタイミングを逸する、みたいな。(私のこと)
今日はミリアムとマチューの様子をオペラグラスで凝視しがちだった。明日はもう少し広く観ようと思う。
三幕は話が酷過ぎるので苦手なんだが、二人が最後に向かうにつれ、息を詰めてミリアムの命が尽きるのを見守ったかのよう。いやいやいやもう、本当に、胸をガシッと掴まれて揺さぶられた。。もうだめだ。。。
なぜマノンはあんな最後を迎えなければならなかったんだろう。マノンはどうしたら幸せになれたんだろう。マノン、全然悪くない。
現代の私たちが今『マノン』を見るとき、昔は悲惨だったねえみたいなことではなくて、より自分たちのこととして思ったり考えたりしたいのよね。わざわざこんな酷い話を観るのだから。
ちょっといったん頭と体を休めよう。明日に備えます。