アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

NTLive「フランケンシュタイン」

ナショナル・シアター・ライヴ2015「フランケンシュタイン

 

去年見逃したので今度こそ。
博士と怪物を交互に演じるダブルキャスト。今再上映してるのは、

博士:ベネディクト・カンバーバッチ
怪物:ジョニー・リー・ミラー

 

さすがだわ…と思ってしまう最後。天井から吊るされた無数の電球を使った照明効果、演出も見事だし、場面転換の仕方や装置も、よくできてるなー、などと感心してしまう。

 

週末深夜にBSプレミアムで蜷川演出「ハムレット」を放送してたんだけど、なぜ私はこういうのに違和感を感じてしまうんだろうかと、何がひっかかり、何が気になり、楽しめないんだろうかと、そんなことを思いながら寝ちゃったんだけど、ではなぜ、NTLiveにはそういう違和感を持たずに観られるのか、何が違うのか、などと考えてしまう。

 

フランケンシュタイン」は、怪物に“知”がない場面が見るのが辛く、それが驚きの速さで知性を得て、“人間”になっていくのを見ると、やはり人が人として生きていくために必要なのは教育であり知性であり教養であり、人との関わりや文化的なものから得る刺激によって豊かになる想像力や心。そんなことを強く感じた舞台。

 

それにしても現地のお客さん反応も良くて、生でそこに立ち会う雰囲気ってさぞかしいい感じなんだろうな。成熟してるよなあ。

 

以前なら知る由もなかったそんなことを映画館で観られるのだから、いい時代になったものですね。

でも、字幕がちょっと気になったかな。あまり力を入れて作ったようには見えなかった。タイプミスもあったような。字幕があるからと油断せずちゃんと聞き取りがんばらないとだね。