アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

ボリショイ・バビロン

『ボリショイ・バビロン』

このドキュメンタリー公開しちゃって、ボリショイ日本公演だいじょうぶ?
などと思ってしまった。余計なお世話か。どっぷりロシアだなー、と結構ひいてしまった。

 

私がボリショイになんとなく持っているイメージって元々あまり良くなかったので、この映画を観たからといってショックでもなんでもないんだけど、あの独特の雰囲気、踊る楽しみに溢れているとかでは全くなくて、

 

「仕事だから」

 

という冷めたところ、割り切ったところがどうしても気になってしまう。
いや、舞台上で素晴らしければ、舞台以外でどうであろうと関係ない、というのももちろん一理あるとは思う。でもバレエのような舞台芸術の場合、裏が透けて見えてしまう。その人の生き様、人柄が反映されていると思うのだ。

 

私はその生き様に感動し、心揺さぶられてしまうタイプの鑑賞者だから余計になのかもしれないけど、踊りが上手ければなんでもいい、とは絶対に思えないだよなー。

本番の舞台というのは「踊り」だけではない。

 

そしてダンサーをまとめ、管理する立場の人々、バレエ団を政治利用する人々、これらの存在がまたあからさまでねえ。ロシアに限らず多かれ少なかれあるんだろうとは想像するけれども。

話に聞くとロシアはバレエ学校からしてすごくシビアでドライ(学校側はもちろん生徒自身も)らしいので、プロ(仕事)としてお金を稼ぎ生活していくことができるかできないか、という視点が第一になるのは、環境からしても、ダンサーを責められるものではないよな。

 

そんなわけで、私の中のボリショイのイメージは良くも悪くも特に変化なし。
さもありなん、であった。