アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

Noism1+Noism0 森優貴/金森穣 Double Bill

Noism1+Noism0 森優貴/金森穣 Double Bill

2020.1.17(金)- 19(日)彩の国さいたま芸術劇場

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Noismは昨年夏の15周年記念公演以来。今回は外部から振付家・森優貴さんを招いての新作が注目。

 

金森さんは映像を駆使した3つの小作品。

1.『クロノスカイロス1』出演:Noism1

2.『夏の名残のバラ』出演:Noism0(井関佐和子、山田勇気)

3.『Fratres Ⅱ』出演:Noism0(金森穣)

 

これは何と言っても金森さん自身のソロによる『Fratres Ⅱ』が圧巻で。昨夏に観た『Fratres Ⅰ』でNoismメンバーたちによる祈りの儀式のような崇高さに感嘆したのだけど、本作での金森さんは、戦いの前の戦士のような、神に仕える神事のような、本当は神だけのために舞っているものを目の当たりにしているかのような、劇場全体の空気がピンと張り詰めた濃密な時間だった。凄い。

 

実は、もう何年も前になるけど金森さんにお話を伺ったことがあって、その当時はご本人は踊っておらず、「ご自身はもう踊らないのですか?」などと恐れ多いことを言ってしまったのだけど、このソロを観てその時のことを思い出した。あの頃の金森さんと現在の金森さん、変わらないこと変わったこと多々あると思うのだけど、今日のソロは本当にカッコよくて、あまりにも唯一無二で、一旦退いていたところから再び舞台に立つと決めて実行するためにどれほどの段階を経たのか私には想像もつかないけど、尊敬と感謝と、あとなんだろう、なんだか神聖な気持ちになった!『クロノスカイロス1』もよかったよ!

 

そして後半。

『Farben』演出振付:森優貴
出演:Noism1、Noism0(井関佐和子)

 

森さんの『Farben』はパイト味があってカッコ良かった。パイト基準ですいませんね、昨年からすっかりはまってるもので。(クリスタル・パイトです)

Noismのカッコ良さってキレのある動きをグループでやる迫力とか多様な身体性とかに感じるのだけど、本作でもそれが堪能できたし、Noismダンサーが色々な振付家に対応・呼応して踊れるカンパニーだということが証明されてると思う。今後も新たな振付家との機会があるとダンサーにもカンパニーにも刺激になりそう。そしてそれを観たい。

 

ところで、さい芸に行ったの何年振りだろう。一時帰国の限られた日数ではなかなかあそこまで足を延ばせない。シンガポールの感覚からすると東京圏はあまりに広く、移動に時間もお金もかかる。もうちょっとコンパクトで気軽に移動できたらいいのになあ。 

 

全く関係ない話にそれるけど、最寄り駅から歩いてさい芸に向かうまでの間に俳優さんたちの手形とサインのパネルが並んでるのをみて、手形なら、せっかくならピアニストさんたちのが見たい!と思った(笑)

けど、シフ先生に「あのー、手形を取らせて頂きたいんですけど、、」とか言えない、絶対。(3/14にシフ先生のリサイタル@さい芸、ありますね)

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