アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

Noism0/Noism1「領域」

noism.jp

 

2023.7.14(金)19:00 めぐろパーシモンホール

東京初日観てきた。

 

『Silentium』演出振付:金森穣

『Floating Field』演出振付:二見一幸

 

今回のダブルビルよかった。好みの系統。

 

金森さんの『Silentium』は大人な二人による芸術の高み、という趣。これはやはり誰でも踊れるといった類のものではなく、彼らだから、今の彼らだからこそなのだろう、というのが伝わってくる。もはや生き様。神事というか生贄というか、人の力の及ばない何かによって存在させられているかのような。なんか、そういう気がしてくる。

一方で、ダンスの衣装としてはあれどうなんだろう。おそらく服として見たら見事なのだろう。しかしダンサーの身体のラインというのはそれも大事なので(観る側の私としては)、その辺がちょっと微妙かな…。でも本人たちが納得しての衣装なのだろうからな…。

 

二見さんの作品は過去に観たことがあったかどうか記憶にないのだが、好きな系統な作品で気に入った。序盤は若いダンサーたちが時に幼すぎるように見え、”学生さん”のようだ…などと思ったりしていたのだが徐々に引き込まれた。白い長いリノ(?)の使い方が視覚的効果あり。

ちょっとバットシェバ味やパイト味を感じたりもしつつ、後半の群舞は若いダンサーたちにとってあれは踊ってて気持ちよいのではないか、気持ちよさそう、と観ていて感じた次第。と同時に、Noismダンサー以外が踊ったらどうなるだろう、それも見てみたい、とも思った。

 

ダンサーにとって身体条件というのはそれなりに重要だと思うし、手足の長さが空間把握、空間支配に与える影響は大きい。もちろん身体の使い方次第で小柄でも踊りが大きく見えることはあるのだから、身体条件がすべてではないことは言うまでもない。

ないのだが、より空間支配力であったりオーラであったり立体感がある集団が踊ったら、この作品はどうなるだろうという興味はある。

 

男性ダンサー募集のチラシが入ってたが、金森さんも渇望しているんじゃないかなあ。日本人男性ダンサー、なかなか、ね。金森さんに恐れをなして近寄れないのかしら。(笑)

 

今日は舞台上よりも客席に見覚えのある顔が多かったような。

そして毎度のことながらNoismの観客はおしゃれさん多いね。