ジョージアの暮らしや文化、興味深く見た。
ジョージアで思い浮かぶのはバレエダンサーのニーナ・アナニアシヴィリ、他にはほとんど未知の国。映画からはトルコに近い感じがして、言語もトルコ、もしかしたらアラビア語にもなんとなく似てる気がした。(雰囲気)
ジョージアの伝統的なダンスで男性ダンサーに求められるのは男らしさ、男らしくなければならない、それはつまりジョージア社会の伝統的な価値観でもあるのだと思うのだが、その”型”の中でどれほどの人が苦しんできたか。だからこそ、自分が自分らしくいられる場所が必要なのだよなあ。小さく、貧しく、閉じたコミュニティでは逃げ場がない。メラブは同じ舞踊団の仲間たちから「ホモ」と罵られる。
誰が同性愛者でも私は全く気にならないんだけど、なんでそんなに気になるんだろ。
刷り込まれた価値観(映画ではアダムとイヴの話が出てくる)ゆえか、少数派を異端扱いするのはある意味”自然”なんだろうか?
舞踊って、自分自身であり、解放であり、意志表示。
最後のメラブの踊りは、伝統の”型”から外れたメラブ自身で、見ている偉い人には受け入れ難くとも、その場で演奏しているミュージシアンには通じているところが良かった。伝わってる。
あの狭い世界では居場所がなくても、兄ダヴィドの言うようにあそこから外へ出て自分自身でいられる場所を見つけてほしい、と願った。
メラブだけじゃなく、誰でもそういられますように。
監督、「千と千尋の神隠し」ファンなのかしら。ポスター貼ってあったね。