KAATでの最終公演の日に行ってきた。
いやあ、すごい。なんと言い表したらいいものかと考えて固まってしまう。
ガルバンを評して「フラメンコ界の革命児」とあるが、フラメンコをベースとして維持しつつ、ジャンルは”イスラエル・ガルバン”といった感じ。唯一無二。
自由で根源的で、重量感のあるガルバンの身体の放つオーラが凄い。
大地を踏み鳴らすというのは、きっとずーっと昔の、太古から人間が踊ってきた形なんじゃないか。身体そのものが楽器であり、シンプルに見えて表現されることの多彩さ。
フラメンコや、ラテン系のダンスにあるマッチョさとは無縁で、性別も踊りのジャンルも関係ないし、衣装もそういった伝統から離れているし、裸足だったり、バブーシュみたいなの履いてたり、表現の手法に制約がない。観てる方も「音」にすごく繊細になって観ていたと思うし、ガルバンが出す音にみんなが耳が研ぎ澄ませる。
圧倒されて、ガルバンと二人のピアニストが創る世界をまだまだ受け止めきれてない自分の未熟さを感じた!自分の知識や経験がもっと豊かだったら、受け取れるものももっと豊かだっただろうなあ!と感じさせる舞台。ダンサー一人とピアノ2台が醸し出すこの深淵。まだまだ楽しめる余地があるぞと前向きに。(笑)
まさかのアンコールがあって、本編の緊迫感から解き放たれた素のガルバンのチャーミングな面が見られてうれしかった。かわいい。
先入観を持ちたくなくて、観た方の感想などはほとんど見ないようにして行ったんだけど、ストラヴィンスキーの『春の祭典』とかニジンスキーとかバレエ・リュスとかを復習してから観に行ってもよかったかもしれない。公演プログラム買ったのでじっくり読もうと思う。
KAATでの3公演では回を重ねるごとに3人の息も合ってきたそうなので、この後の愛知公演、ヤバそうですね。観られる方うらやましい。SOLOもある。