アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

Amsterdam(アムステルダム)

www.20thcenturystudios.jp

 

おもしろいようで、そうでもないような、なんともいえないというか。雰囲気とか時代とか衣装とか好きなんだけど、よかったわー!とまではならなかったかな。でも、主役3人はよかった。第一次大戦後のヨーロッパとアメリカというのはずいぶん雰囲気違ったんだな。アメリカでの黒人差別は、きっと本作で描かれていたよりもひどかったのではないか。そんな気もする。

 

事実に基づいてるということで、混沌の世というのは、気がついたら既にそこにあったというように、いきなり大きな危機に直面するのかも。個々人はみんな必死に生きているのに、全然違う次元で全く別のどす黒い大きな企みが進行しているというような。

 

最後の方の将軍の演説では、その言葉は、時代を問わず常にみんなが心に留めておかなくてはならないことだと受け取った。国のためだと言って一市民の命を犠牲にする。軽んじる。そういうことを権力者はやる。だから、国は我々市民のものなのだと、時には声を大にして言わないといけないのではないか。

でないと、気づいたときには、「国のために犠牲になるのは当たり前」な社会の空気が出来上がってしまっているかも。そういうことが実際過去にあったのだし、世界を見れば現在進行形でもあるわけで。

 

とはいえ作品全体としては重すぎず、むしろ軽いテンポでどんどん話が展開し、ついていけなかったところもある気がするけど、最後まで楽しめた。出演者も豪華。みんなキャラ濃い。