アートなしには生きられない

バレエ、ダンス、クラシック音楽、美術館などシンガポール・東京でのアート体験を中心に。

FILM

Médecin de nuit(パリ、夜の医者)

今年もマイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル開催中。 MyFrenchFilmFestival 12th Edition 長編含む全作品見放題パックが7.99€という、劇場映画1本分よりお手軽な価格設定。舞台の配信を購入するようになってみると余計に、え、こんなに安くていいんです…

THE FRENCH DISPATCH OF THE LIBERTY, KANSAS EVENING SUN(フレンチ・ディスパッチ)

やーっと公開になったね!初日に張り切って観に行ってきた。 正式タイトル長い。 THE FRENCH DISPATCH OF THE LIBERTY, KANSAS EVENING SUN 邦題『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』 searchlightpictures.jp ウェス・…

House of Gucci(ハウス・オブ・グッチ)

グッチファミリー、映画化にぴったり。なんとなく聞いたことがあったような気がする程度だったのだが、グッチファミリー、大事件起きてたのね。 house-of-gucci.jp イタリアが舞台でイタリア人ファミリーの話でも英語で進むというのは、違和感はないですか?…

パリオペラ座バレエ団『シンデレラ』(2018)inシネマ

映画館の大スクリーンで観る『シンデレラ』。 2018年12月31日、カール・パケット引退の日。 www.culture-ville.jp なぜパリオペのシネマは過去公演ばかりなのかと毎度不満に思いつつ、こうやって思い出の公演を大スクリーンで観られるというのもまた、特別な…

The Savior For Sale(ダ・ヴィンチは誰に微笑む)

おもしろかったー! 映画『ダヴィンチは誰に微笑む』公式サイト 2017年に4億ドルで落札されたダ・ヴィンチ作(?)の絵画『サルバトール・ムンディ』(”世界の救世主”の意)をめぐるドキュメンタリー。当時話題になったの覚えてる。 1枚の絵画からこんなにも…

The Man Who Sold His Skin(皮膚を売った男)

映画館で見た予告で気になっていた本作、やっと観た。 映画『皮膚を売った男』オフィシャルサイト 2021年11/12公開 ストーリーが独創的で、かつ時世を反映していて、この世界の抱える問題や欺瞞、そして批判的視点を持っている。 すごいなあ、こうやって今の…

No Time to Die(007 ノー・タイム・トゥ・ダイ)

延期延期からのやーっと公開された007の最新作。みたよー。 (ネタばれとかはないです脱線しまくってるので) www.007.com 現代のボンドの映画としてよくできてるなーと思った。 というのも、シリーズの過去作見るとびっくりするような話や演出の連続なので…

Été 85(Summer of 85)

フランソワ・オゾン監督作品。 summer85.jp フランソワ・オゾン、映画製作の原点となった小説を映画化運命の出会いと永遠の別れ、狂おしくも切ない初恋に溺れたあの夏─少年同士の瑞々しい刹那の恋に魂が震える、最高純度のラブストーリー とあるんだけど、ラ…

Quo vadis, Aida?(アイダよ、何処へ?)

1995年、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の中で起きた大量虐殺事件「スレブレニツァの虐殺」。その事実を基にした映画。 「サラエボの花」でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したヤスミラ・ジュバニッチ監督作品。 aida-movie.com 戦争をテーマにしたドキュメン…

The Courier(クーリエ 最高機密の運び屋)

ひさしぶりに映画館へ。観たのはこちら。 映画『クーリエ:最高機密の運び屋』公式サイト キューバ危機。核を持つアメリカとソ連が、一歩間違えば核戦争を始めていたかもしれないという緊張感に包まれていた時代の話。 ソ連の高官アレックスは平和を願い、戦…

Ammonite(アンモナイトの目覚め)

フランシス・リー監督≪Ammonite≫(アンモナイトの目覚め)。メアリー・アニングという女性の古生物学者が実在していたのだね。 映画『アンモナイトの目覚め』 公式サイト 労働者階級で女性。どんなに才能や実績があっても名前が公に表示されることはない。ど…

Nomadland(ノマドランド)

公開を待っていた。 searchlightpictures.jp 主演のフランシス・マクドーマンドの演技が凄い。実際にノマドたちの中に入り、溶け込んでいる。 夫を亡くし、住んでいた家も街も失い、とてつもない喪失感と共に転々とノマド生活をしているファーン。古いヴァン…

My Rembrandt(レンブラントは誰の手に)

予告編でぜひ見たいと思っていたやつ。 『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』『みんなのアムステルダム国立美術館へ』のウケ・ホーヘンダイク監督の作品。前のと同様、美術界の裏側を描くドキュメンタリー。 映画『レンブラントは誰の手に』公式サイト …

ONKLE(わたしの叔父さん)

2月28日をもって休館する恵比寿ガーデンシネマ。最後の1本になるかもしれない。 映画『わたしの叔父さん』公式サイト フラレ・ピーダゼン監督のデンマーク映画。コペンハーゲンから遠く離れた田舎で農業を営む叔父と姪クリスの暮らし。毎日早起きし、脚が不…

Une intime conviction(私は確信する)

フランスで実際にあった未解決事件をもとにしたストーリー。 映画『私は確信する』オフィシャルサイト 行方不明の妻を殺した容疑で裁判にかけられるヴィギエ。妻が自ら姿を消したのか死んでいるかも不明なのに殺人で起訴されてしまうのかというのも驚きだけ…

マシュー・ボーン in cinema『赤い靴』

予定では昨年来日公演が実現しているはずだったマシュー・ボーンの『赤い靴』。 アダム・クーパー出演ということでぜひ見たいと思っていたのにコロナ禍のせいで中止になっちゃったのよね。。 mb-redshoes.com ロンドン公演の映像を映画館で。これ、ストーリ…

パリオペラ座バレエ団『眠れる森の美女』(2013)inシネマ

2013年、パリ、オペラバスチーユでの公演『眠れる森の美女』を映画館で。 オーロラはミリアム・ウルド=ブラーム、デジレ王子にマチアス・エイマン。理想形。 youtu.be バレエ|パリ・オペラ座|眠れる森の美女 |ルドルフ・ヌレエフ|チャイコフスキー 2014年の…

Puoi baciare lo sposo(天空の結婚式)

映画館の予告で見ておもしろそうだなーと思ってたやつ。 映画『天空の結婚式』オフィシャルサイト ベルリンに住むイタリア人のゲイカップルが結婚を決意し、復活祭の里帰り時に両親に自分がゲイであること、そして結婚するつもりだと告白する。受け入れる母…

Funan(フナン)

映画『FUNAN フナン』公式サイト 1975年カンボジア、クメール・ルージュに平穏な生活を奪われた家族の話。 突然日常が奪われる恐ろしさ、奪う側に誰がなってもおかしくないという恐ろしさ。アニメーション映画で描かれる過酷な時代。 多くの人々と共に強制的…

Une nuit au Louvre : Léonard de Vinci(ルーブル美術館の夜 ダ・ヴィンチ没後500年展)

今年の映画館、1本目はルーヴル。 ルーブル美術館の夜 ― ダ・ヴィンチ没後500年展 2019年にパリのルーヴル美術館で開催されたダ・ヴィンチ展。ちょうど開催中の時期にパリに行ってたので観に行きたかったんだけど、大人気で予約が取れずに悲しい思いをしたの…

The Kindness of Strangers(ニューヨーク 親切なロシア料理店)

そろそろ今年の映画見納めの時期ね。 映画『ニューヨーク 親切なロシア料理店』公式サイト まだ小さい息子2人を連れてNYCに逃げてきたクララはお金も頼れる人もなく、車もなくなり、寝るところ、食べるもの、着るものにも困る。子供たちに広い世界を見せたい…

Portrait de la jeune fille en feu(燃ゆる女の肖像)

見事だ。 映画『燃ゆる女の肖像』 公式サイト 18世紀、ブルターニュの孤島が舞台。画家のマリアンヌが貴族の娘エロイーズの肖像画を描くために雇われ、館を訪れる。館で働くソフィー、エロイーズの母と4人の女性が主な登場人物。 マリアンヌとエロイーズが、…

Deux moi(パリのどこかで、あなたと)

セドリック・クラピッシュ監督の≪Deux moi≫が公開。 映画『パリのどこかで、あなたと』公式サイト フランスでの公開が2019年9月だったようなので1年遅れ。もちろん、コロナ前。パリの景色、かつての日常の風景。ああ、前はそうだったよね…という郷愁が湧いて…

ミッドナイトスワン

事前情報でちょっと警戒してたのだけど、思っていたよりはよかった『ミッドナイトスワン』。しかし、モヤモヤは残る。 映画『ミッドナイトスワン』公式サイト ステレオタイプに見えてモヤモヤする。そして、人が連帯して生きていくときに必要なのは「母性」…

Papicha(パピチャ 未来へのランウェイ)

Papicha(パピチャ)とはアルジェリアのスラングで「愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性」のことなんだそうだ。 映画『パピチャ 未来へのランウェイ』公式サイト 1990年代のアルジェリアが舞台。 ファッションデザイナーを夢見る女子学生ネジュマが…

スパイの妻

日本人俳優による日本語の映画になると受け止め方が変わる可能性があるのかなあ、などと考えたり。近すぎて受け取るものが多すぎるのか、日本社会についてあまりに様々な”あれこれ”があるためか。 『スパイの妻<劇場版>』公式 1940年の神戸が舞台。太平洋…

The Professor and the Madman(博士と狂人)

良い映画だったーーー(じんわり泣く) 映画『博士と狂人』公式サイト 学位はないが秀でた言語学者マレーがオックスフォード大学でかつてない英語辞典の編纂に挑む。そこにどうやって”狂人”で殺人犯のアメリカ人マイナーが関わることになるのか、と思いなが…

Matthias et Maxime(マティアス&マキシム)

グザヴィエ・ドランの新作「マティアス&マキシム」、狙ってたわけではないのだけど公開初日に観てきた。(ドランのポストカードくれた) さて本作。私の中のドラン作品の2トップ「わたしはロランス」と「マミー」の壁は高い。(笑) マイノリティや口をふさ…

Fahim(ファヒム パリが見た奇跡)

きっとこういう話なんだろうなーと思ってた通り(ある程度は)だったんだけど、それでも大事なことが詰め込まれている映画だと思った。 映画「ファヒム パリが見た奇跡」公式サイト 実話を元にしている。バングラデシュから父親と2人でフランスにやってきた…

The Public(パブリック 図書館の奇跡)

エミリオ・エステベス監督の≪The Public≫。 longride.jp 寒波に襲われてるシンシナティ、ホームレスのためのシェルターはどこも満員で、路上では凍死者が出ている。日中は誰もに開かれている図書館で過ごしているホームレスたちは一夜の「屋根」を求めて図書…